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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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2011年11月
リネン日記:24
2011年11月04日
今朝は京都からお客様です。昔から林与の会社のことをご存知で、久々にジャパンクリエーションでブースで声を掛けてくださいましてお越しくださいました。私のほうが興味のある案件があって、早速動いてくださり、頭の中で計画していたことが動き始めそうです。

近江上布の絣柄をプリントで再現する件で、縛りを取ればかなり前に進みそうな気がしました。再現したとしても今の着物ライクな素材感のものがアパレル向けにどれだけ通用するのかは疑問ですので、素材を本麻というのを外しましてターゲットを広げたほうが、柄が好きだから買いたいという方も広がるのではないかと考えました。

以前、JETROさんの商談会で、ニューヨークのエミリー社の社長とお話したときにも着物は着ないので、やわらかい素材のものがよいとおっしゃっておられました。日本では、案外、昔の柄というのに注目は少ないですが、日本に来られる海外の方が、日本の着物の世界をみられると、通常のアパレル素材の何倍も興味を示されます。

これから、ヨーロッパに向けても動いていきたいときですので、ヨーロッパでの展示会に出展やあるいは個展を考えるときに、日本の伝統的な素材というものも海外のみなさんに見ていただいて、そこから広がる世界でのアパレル向けのものづくりというのが、たぶん、ヨーロッパの皆様には一番受け入れられやすいかと思います。
2011年11月03日
今日は、ひこね文化プラザにて物産展がありました。開会式でのテープカットなどもありまして、しばらくするとテント村は人人で、大にぎわいです。お昼もいただこうかと思ったのですがなん十分も待たないと買うことができず諦めました。

別の会場では地場産業の展示も行われており、伝統工芸品である彦根仏壇関係の展示が力が入っておられ、以前から興味をもっておりました漆の技術などお話をうかがうことができました。

出展されている側も商売というよりお祭りを盛り上げる気分で楽しんでおられますのでこういうイベントというのは無理なく長続きする形ではないかと思います。2階では、彦根仏壇の職人さんたちが工程の実演を行っておられました。

彦根の仏壇業者の方というのは、昔から製造だけでなく販売も手がけておられますので、このような実演的なPRも非常に上手だなあと思うのです。仏壇の方とお話しておりますと、すでに家に仏壇がある方というのはお客様にはほとんどなり得ないのに、毎朝仏壇の前で拝むことをお勧めになられます。

製造されておられる方が仏壇にお参りするような、先祖に感謝するような気持ちをもたれている方ばかりなのでお話をしていても心豊かな気分になりました。よく、時代が変わったと言われますが、日本人が変わってしまうと日本的な産業というものは成り立ち得ないものだなあと思います。
2011年11月02日
展示会から10日が経過してようやくスワッチの送付が完了いたしました。今回は海外からスワッチがまだかというご催促がたくさんあり、非常に前向きに考えてくださっているのを感じます。郵便局から帰ってからはインドへの出発の準備にかかり始めました。

今回のインド行きは、経済産業省のインド市場調査事業として行われます。インドというマーケットの将来性がどのようなものなのかを調査する事業で、展示会なども日程には含まれており、日本のテキスタイルメーカーの素材などを現地の方に見ていただく絶好のPRの場になると考えています。

ご一緒させていただく皆様というのも、名簿を拝見していると織機にも精通され自分で織物を作られているような織物のプロの方が多くて、織機を触られているようなみなさまが私と同様に海外での製造でなく販売に目を向けられているのは単なる一致ではないと思います。

展示する素材なんかも、売り安そうな低価格のものを見ていただくのではなく、日本らしいものづくりをしたものや日本的な色使いがされているものを見ていただこうかと思っています。
2011年11月01日
スワッチの送付が3分の2くらい完了しました。展示会の場というのは商談の場ではなく、単なる現実PRの場に過ぎないかと思います。といいますのも、今の時代というのはこられたお客様が個人の方でもなければ購入を即断決断できることはほとんどないのです。展示会のブースは屋台の出店のように見えますがものを見せる場所であっても売る場所ではないのです。

展示会などでも大事なのは価値観を共有できるような方とのお出会いです。スワッチを送る際にもお名刺を眺めながら会場で話したときのことを思い出すのです。スワッチを送り始めると、積極的なブランドさまやアパレルさまというのは前向きに動いてくださいますので、そういう自然な流れの生まれるところと自然なスタイルで仕事をしていくのが一番よいのではないかと思います。

今、考えているのがプルミエールビジョンへの出展で、個性の強いものづくりというのをPPしていくためには目指すべきではないのかと思っています。麻に特化して、布の見た目や質などでは全体として他とは違うようなテイストを持っていますので、欧米の方などでもリネンに興味のあられる方が林与のものづくりを特別に見てくださることは多いので、自分らしいものづくりの方向性は保って行こうとするときに、そのようなものづくりを最大限にPRできるような場所を求めるのも大事だろうと思っています。

最初はプルミエールビジョンでなくてもよいのかもと思います。パリででも1週間ほど場所を借りて個展的な林与の展示会を開いてみるのもよいのかもしれません。それなら、リネンだけでなく近江上布の世界をヨーロッパの皆様に見てもらえるようなチャンスになるかと思うのです。