2012年07月01日
昨晩と今朝、琵琶湖放送の県政週刊プラスワンのの番組の中で、しが応援ファンドの案内が行われ、林与もその中のファンド活用事例のひとつとして取り上げていただきました。林与自身をテレビのなかでみると楽しそうな感じでいいんじゃあないかと…。
しが応援ファンドのよいところは、自分のやりたいことを実現するために小さくも大きくもプロジェクトを組めるところ、林与にとっても林与で見つかったアイリッシュリネンの糸を形にしたいと思っていたときにファンドに出会って、やれたことというのは何倍もに広がりました。
ファンドを3年いただくケースというのも少ないケースだそうですが、3年間という長いスパンで取り組めたことで、プロジェクトの波及効果などもみながらプロジェクトを進行でき、一過性のものに終わらない成果をあげることができ、ファンド終了後もつねにリネンのものづくりでハイエンドなものづくりを目指していけるような形を考えています。
自分自身の力だけではできなかったのか?といわれると、ファンドという事業としてやっていなかったら、ほとんど市場の形成されていないリネンの超細番手の生地を開発することを、林与の取り組む一番のプロジェクトとして前に進むことはできなかったと思います。ファンドを通じて作り上げたものの出来上がりをみて、「やった」といえるようなものであって、今までとは違うリネンの世界が目の前に存在しだしたことは、日ごろのものづくりにも生きてきています。
また、それを県立大学を通じてプロモートしていただき、国内最大規模、また、世界最大規模のテキスタイル展などで発表できる場までもあったことが、単なるものづくりに終わらず。展示会などで来場いただいた方に見ていただいて、林与のものづくりに共感くださった方が非常に多く、そのことで、たくさんのよいお出会いをいただきました。
今日はしとしとと雨の降り続く、梅雨空の一日、日曜日ながらもひとつの納期の仕事のためシャトル織機を動かします。シャトル織機でもヒガエがあるのとヒガエのない無地とでは織るのに要する注意力は雲泥の差、今織っているのは、長さ190cmの大柄、横糸が切れると神経をすり減らします。
目分量で段ができないように織るのは慣れていないと駄目なだけでなく、同じ織機でも台ごとに、段のできやすさなどはまちまちで、人が微調整を掛けてあげる必要があります。シャトル織機の弱点は織り段のできやすさ、シャトルに巻かれた糸の不均一さから起こる段もあれば、織機が止まったことで開口状態で叩いた横糸が少し戻ってしまうために起こる薄段厚段もあります。
今の織機というのはすべてバックすることが可能な機構がついていますので、段はできにくくなっています。簡単な織物なら今の織機で織ったほうが安全に織物が出来上がるのです。同じものを作るのにシャトル織機をわざわざ動かすなんて、無意味に思われるかも知れませんが、ものづくりしているものが職人技に対する評価をなくしてしまえば、終わりじゃあないかと思います。テレビを見ていて、様になっているのも昔のシャトル織機と向かい合っているからじゃあないでしょうか。