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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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2013年3月
リネン日記:25
2013年03月09日
人かコンピュータかを選ぶときに似ているなあと思うのが、卵か鶏かの問題です。人よりもコンピュータが人の命を奪うほどに優る時に、人が不要になりそうなのをコンピュータの中の人に対するパラメータを無限大にすれば、コンピュータ自身が負けるような人情味のあるプログラムとならざる終えません。

将棋のようにすべての駒が人である王を守ろうとしても、相手の玉も人、コンピュータとコンピュータの相手の取り合いになったときに、王や玉自身が覚悟を決めて駒を進めなければ、平っこが死ぬだけの千日手の世界になるのは必然的です。

実際に、人が優位と思われてきた将棋の世界でも元プロ棋士がコンピュータに負けるという世界になって来ました。将棋の歴史を塗り替えるというような事態ですが、人がコンピュータに勝っているというあたりが良かったろうに、人がコンピュータに負けてしまうという事実は、正直、寂しさを感じます。

これって、織物の世界でもありがちなことで、機械の作るものと人の手の掛かったものとどちらが精密かというと機械の造ったもののほうが精巧なのです。人の手の造ったものは一つ一つ微妙に違う要素があって、機械は進化し続けるので人が手で作る世界を奪ってしまうのが現実です。

将棋の世界のプロが負けてしまうという現実は、将棋のプロの価値を問う問題になろうかといえますが、大昔に計算機が出来たときに日本人が暗算勝負したことがありましたが、暗算できる人が少なくなるとまた計算機より劣っていようが暗算できる人の価値というものは上がってくるものです。
2013年03月08日
今の時代、伝統的な繊維業界では仕事がないといわれていますが、仕事に対するテンションが高い状態の人でないと乗り越えることのできない仕事くらいしか残っていないからなんだろうと思います。

守られて生きてきた人というのは仕事があったとしても駆け引きごとばかりが多かったりで、それが働いてる人の感覚というのではなく、経営者の感覚だったりすることもあって、世の中にはいくらでも良いものが並んでいて売るのに苦戦している時代に、仕事をしないでお金儲けできる方法を考えている人が増えてしまうと仕事はなくなって当たり前。

仕事をしようとフルに働いている会社や中の人と仕事がないと嘆いてなにも仕事をしない会社や中の人では、1日でも大きな差ですが、1年で出来る仕事の量も経験値も大きく異なるものです。本来仕事というのは自分でつくるもので誰かからもらうものではないのですが、その基本からしても自分自身が働く時になくなってしまっているとものは良い物は造れないだろうなあと思います。
2013年03月07日
整経の機械に山と呼ばれる設定があります。糸を整経機の荒巻ドラムにどんどんと巻いていくと崩れてしまうので、一回転するごとに左方向に、コンマ何ミリとかずらしながら巻いていくのです。整経の一番最初は傾斜をつけてあり、その角度が山の高さなのです。

今日始めて気がついたのですが、山の目盛りが30度近くまであるのに、実際は、18度くらいまでしか山は上がらないのです。あまり山が高いのも、部分整経の場合、端が崩れて次のバンドと重なってしまうので良くないので、18度以上にする必要もないのでしょうが、今、太い糸の織物を織っていて、送りも2ミリくらいまで大きくしますが山も高くする必要があるのです。

山って高すぎると糸の長さが長くなってしまうし、低いと糸の長さが短くなって、ビームに巻き取るときに問題が生じ、織るときにも問題が生じてきます。整経機というのは、世界中、すべてが同じような形なのでこれもすごいことだなあと思います。

ベトナムに行ったときに、山の調整ができておらず高すぎる山で綿の糸を整経をしているのをみて、これって織れるのかなあと見ていた私が心配をしました。そこでも、小学生の子供が整経をし織機の番をしているので、私自身はそれって実はオーガニックなことなんじゃあないかと思ったりするのです。
2013年03月06日
シャトル織機の送りがうまく送っておらず、結果、うまく織れないという結果になってしましい。解決方法の案はあったのですが、他にやらないといけないことばかりで、応急処置的に対応をして、今日は、職人さんが来る日で、協議した結果、同じ結論で、その方向で織機を調整してもらいました。

夕方には織れるようになって安心したのですが、同じ糸、同じ織機でも、織機の限界に迫った織物ですと、織機の限界を超えるためには一工夫が必要であったりと面白いものです。そういう壁で打開策を見出せないとそこで終わりとなるものです。

3月12日には、米原の滋賀県立文化産業交流会館で、ビジネスカフェで、山本玄匠氏による講演会が行われるそうで、案内をいただきました。一般に募集をされているのかどうかは分かりませんが、興味のあられるかたおられましたら、3月12日の15時開演です。滋賀県立文化産業交流会館まで、お問い合わせください。

今日は、他にも、キッチンクロスの件でリネンバードさんからお電話いただきまして、自分なりにベストな形のものを作り上げたいと思っております。また、海外の150番手の糸を作ってもらったリネン紡績工場からは、糸の展示会に向けて弊社で作ったものをリネン150番手のイメージとして見せたいとのことで動いております。
2013年03月01日
2月だけが28日しかなく、アンバランスなのは、昔は、1月2月がなかったとか。一年の農業の始まりから終わりまでを10に区切り、第1の月から第10の月まであったそうで、それが現在の3月から12月に相当するそうです。

数字のことを英語でナンバーといいますが、セプテンバーは7のことで7月、オクトーバーは8月、ノベンバーは9月、ディッセンバーは10月を意味します。1月と2月ができたので、セプテンバーが9月、オクトーバーが10月、ノベンバーが11月、ディッセンバーが12月になったとか。昔、寒くて人が働くことが出来ない1月2月に相当する60日ほどを年間日数にカウントしなかったのは、自然的で非常に人に優しい暦だったのではないかと思います。

2月の日数が28日しかなく、不自然に思われますが、規則正しくないことこそが自然なんだろうと思います。