2013年06月06日
昨日は、お昼からアパレルさんのAW展を見せていただき打ち合わせ、その後、百貨店さんでリネンハンカチに関して打ち合わせ。夕方は、渋谷でデザイナーさんと食事。朝からあまり食べずに一日動いたので、夕食のタイ料理のタイビールが体に染み渡る感じでした。
東京も麻の洋服など真っ盛りな感じで本当に多いですね。弊社の素材ではありませんが、青山通りに薄いオフ白なリネンのワンピースがショウウィンドウにディスプレイされているのをみて、リネンの細番手というのも浸透してきているのを感じます。私自身がその白い一枚のワンピースを見るとリネンの良い物であることを良く分かるのですが、一般の方が見られて肌着のようなその薄い白いシンプルなワンピース、どこまで分かってもらえるのか。
たぶん、敬遠するような透ける薄さというのは、企画もされずに服にならないので、そういうものがリネンの高級なものであるというのを浸透させることは難しいというのを分かりながら、ジャパンクリエーションに始めて出展し始めた辺りから、この7年ほど取り組んできました。時間は掛かるだろうと思いながらも、昨日、東京でシンプルな細番手リネンの白のワンピースがショウウィンドウに単体的に展示されているのを見て、リネンの特別クラスのものに対しても売り場に並ぶことが冒険的にも行われ始めたのかと思うところです。
生地の展示会などでも、薄いリネンのエレガントさに惹かれアパレルブランドさんというのは多いもので、ブランドさんが高級であればあるほどその傾向は強くなるように思います。それ自体は、作り手の価値観と高級アパレルブランドの目が整合をして、麻の世界の価値観に矛盾がないの思うのです。パリのコレクションのラナウェイを飾るような洋服が市販されていてもいいんじゃあないかと思うのです。市場がそういうものを受け入れることによって、より、コレクションもよりよい素材を使えることになり意味をなしてくるかと思えるのです。
洋服を作る人なら素材に憧れるというのが普通で、同じ洋服を作るときに、縫製は同じでも素材が違うとまったく違ったクラスのモノづくりになるので、作ろうとされるアイテムや価格帯、ブランドイメージなどに応じて素材は決まると思います。
一般には売れるものがよいものだという価値観があろうかと思いますが、作り手からみたものの良し悪しの価値観の世界というのは、また別物だったりします。作り手が良いと思って作ったものが売り場にあうかどうかは、今日の青山通りのショウウィンドウで見た薄い白いワンピースが売れるかどうかより、まず、見た方に良いと思ってもらえるか思えないか。
そういう薄い素材で洋服を試作される意気込みというのは天晴れだと思います。林与も一部百貨店のメンズでお使いいただいているのと、レディース向けは、その薄さにあったリネンブラウスやリネンチュニックという形で、リネン150番手なども使って洋服の形にするまでを行いました。
洋服の形として見てもらうことで、どう素材を使うかまでのイメージをアパレルのデザイナーさんにも分かってもらうところまで必要です。洋服としての完成度も含め、麻の世界のものづくり形としてしっかりと残したいというところあります。洋服の形にまですると一般の消費者でも分かる人がみると分かるものです。そういう世界が成熟してくると昔の日本の布の世界のように、生地に対する見方も本物になってくるのではなかろうかと思います。