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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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2013年9月
リネン日記:20
2013年09月30日
一昨日から経て繋ぎをはじめて、何千本の糸を手で繋ぐ作業というのは忍耐そのもので、通常は一週間くらいですると慣れるもので、一時間に400本から500本くらいつなぎます。太い糸だと1時間に600本くらいも繋げる人もいます。

タイイングマシンという糸を繋ぐ機械があるのですが、準備に時間が掛かるので、本数が少ないとスピード的には同じくらいです。麻の細い糸は切れやすいので、タイイングマシンでも自動でなく、目で確認しながら手で回して繋ぐケースも多いので、似たような手間のイメージだったりします。

縦の細い麻糸を忍耐強く正確に繋げるようになると、ようやく半人前くらいで、一人前にみなされるには織機を何台も動かしながら繋げることが必要です。織るだけの仕事では力不足で、繋いで織って織機も調整してが出来る人でないとなかなか通用しないものです。
2013年09月29日
インターテキスタイル上海の最初の日の夜のカクテルパーティへの招待いただき、昨年は、シェラトンでの授賞式に参加したので、インターテキスタイルナイトは始めてなのですが、展示会に参加する各国の出展者が招かれているようです。
2013年09月28日
今日は夕方、倉庫に行ったときに西の空に太陽が沈んでしまって、山が真っ黒に見え、その上が深い赤で、淡いブルーがその上にあり、空気が冷たさをもって透明なのを感じました。なぜかさびしいのが赤トンボがいないこと。子供のころには、秋には空を埋め尽くすこともあった赤トンボすら、この地域では絶滅しつつあるのかと思うと、この何十年かの農地改良などの国家的な事業にも大きな問題があるのを感じるのです。

別に赤トンボがいなくても、トキがいなくても人の生活に与える影響などはないに等しいですが、赤とんぼやトキがいなくなっただけでなく、何十年か前までの自然環境と今の自然環境がまったくことなってきていると言うことあろうかと思います。人が他の生物を消していったのだから、それが人に返ってきても仕方のないことだろうとおもうのです。

あるときに、大学の環境学の先生と話をしていると昭和の頃のほうが薬剤などは強いものをつかっていたといいます。でも、虫などは生きていることができた。今は薬剤は環境にやさしいといいながらも、虫などが消えていってしまっているような、目を向けるべき指標が違うんじゃあないのだろうかと思えたりするのです。実は、稲刈りのころには、大量にスズメが見られるべきはずですがスズメすらも田んぼで囲まれた田舎なのにほとんど見かけることがないのです。
2013年09月27日
そろそろインテキ上海の準備をしないとと思いながらも抱えていることに追われすぎていて、私にとってはインテキ上海は商談の場というよりも、くつろぎの場所。麻に興味をもたれている皆さんとお話しているだけで、その情報発信力というものは十分にあろうかと思うのです。

麻織物に携わる企業さんというのは多いものの、そのほとんどが仕事として行われているので、特別なものというのは作ろうとすると自分のためにつくるしかないのですが、そういう、自分のために作った麻生地なんかを見ていただくこと、見るほうも面白いのではなかろうかと思います。

昨日は、インテキ上海では、リネンブームにあいまって、リネンのコーナーを計画されているそうで、主催のメサゴメッセフランクフルト香港の事務所から、そのコーナーに置くアイテムを提供できないかとのお話を東京事務所を通じていただきました。林与のリネンストール、リネンワンピースやキッチンクロスなどがより多くの皆さんに見てもらえる幸運なお話だと思いつつ画像の準備など。実際に展示してもらえるのかどうかは主催の判断によるとのことですが、インテキ上海に行く楽しみが増えました。

今日は、加工工場の社長と部長から電話で、林与の仕上げの加工工程の詳細に関して細かく説明をしていただきました。普通は語られることありませんが、薬剤をあまり使わずに良い風合いを出すために、高度な処理が高い品質を生み出すのに使われています。林与の素材に関しては、昔はもっと高度な処理を行ってもらってたそうで、理由もあって現在は少し下げての対応だそうです。昔と今の風合いの違いなど糸だけでなくそういう他の要因が絡んで加工も控えめの処理になっているようです。

また、今日はアパレルさんにリネンガーゼストールの色柄などの検討ということで、L60番手のカラーをメールに添付してお送りするなど、アパレルさんのオリジナルデザインのストールの話、進みそうです。
2013年09月26日
ストールの生機をストールを加工上げすると、長さが5%ほど縮みます。これも糸の組み合わせによって微妙に長さの調整が必要です。極端な話、同じ種類の糸でも色が違えば、収縮率というものは変わってくるのです。

特に、リネンの濃色と薄色では収縮率が異なります。これは、麻の染が得意な複数の染色工場に確認をした結果としても、たとえば反応染料では、黒が一番、縮みが少ないのです。このことが麻業界で、麻のものを企画しようとするときには様々な問題を引き起こすことになり、時折、色ごとに対応を迫られることがあるのです。

ストールの長さに話を戻しまして、今日、発生した問題では、一枚ですが長さ確認用のサンプルを作って長さを調べたのですが、それを元に最初の何枚かを織ってみると、最初の1枚とその何枚かの生機の長さが5cmほど異なるのです。原因が不明ですが、こういうことに気が付いたので、至急、別の織機でも同じ設定で違う色を織ってみて、何が正しいのかを再確認しました。最初の1枚の長さがイレギュラーであったようで、最初の織り出しの長さが違うようなことはあったりするものです。

繊維業界の皆さんがよりどころにされる検査結果にしても、反末をカットして使われているので、その数値というのに収縮率一つにしても信憑性があるのかというと、一番乱れている部分での検査になっています。検査数値が悪いときには、反物の3mほど中をカットして再検査すると数値が極端に改善するというのは、考えてみると当たり前のことですが数値に縛られてしまっているとそれに気が付かないものです。

私自身、キッチンクロスなどのパネル的な柄物などは加工での収縮率を計算しながら生機での規格を決定するなどで、生機でどこまで同じに調整をしても、加工ごとに長さが替わったりすることがあったりするのを認識しています。加工工場の中でも、反物を繋ぐときに、どこまでまっすぐにミシン掛けするのかでも変わってきますし、繋ぐ際に使うダミー生地の幅が、加工する生地の幅よりも広ければ、加工する生地というのは最初引っ張られぎみになって最初のほうは生地が伸びて加工されることになります。今回のストールの最初の一枚の長さが不安定なのも同じような要因が絡んでいることがあるのではなかろうかと。
2013年09月24日
今日は休み明けで朝から加工出し、明日もまた加工出し、さらに明後日も加工出しの予定。工場の中は、機の準備、計画ではシャトル織機が8台ほど並行して動く予定。今までは、一台一台、順番に手のかかるものを動かしていたけど、本生産の時期に入って、並行して何台も織機を動かし始めます。

シャトルは現在一杯になってしまいました、まだレピアのほうは生産のキャパがありますので、何かレピアで織られたい方はどうぞ。

林与のリネン生地を使ったエプロンが、伊勢丹さんのショッピングサイトでご購入いただけます。詳しくは、http://www.isetan.co.jp/icm2/jsp/shops/living_more/product_project/index.jsp

いろいろな方のご縁もあって、小さな機屋のものづくりが皆さんの目に留まる。本当に恵まれている。その恵まれている分、自分の日々の自分に対する負荷というものは大きくしておかないと薄っぺらいものに終わってしまうだろうといえる。ボロボロでも、どこまで出来るか試していれば、いろいろなことを自分自身が体験できる。

成功した人の経験を聞くよりも失敗した人の経験を聞くほうが、成功することに憧れるだけのアマちゃんにならずにすむ。失敗した人の経験を聞いて、同じように失敗しないように注意は必要だが、自分で失敗をすることこそ大事だということ気が付くのが遅いと初めての失敗終わり、どんな状況でも立ち直おせる力こそが成功するためには大事。
2013年09月23日
今日は夕方出荷、高速道路に乗った途端、もう一杯の車。連休明けに届けようと思った荷物が、翌日着に。今回は、あきらめるしかない。次のインターまで1時間ほどかかって到着、気持ちを切り替えて次の仕事のことを考えよう。

上島佳代子先生から、パリへのリネンツアー(11月12日から18日)のお誘いがありました。林与は、現在、手が一杯になってしまっていて参加できないのですが、リネン好きのみなさんにもご案内させていただこうと思います。詳しくは、トップページの画像をクリック、あるいは、http://www.hayashiyo.com/page/21 をご覧ください。上島先生と一緒に行くと、本場のおいしいパンが食べられたり、リネン生地を買ったりする穴場を教えてもらえるのだろうと思います。

ミルツルさんからも、この夏に作らせていただいたシルク麻素材を染めておられるとのことご連絡いただきました。素材としては、今は手に入れることのできないカネボウブランドのシルクとロイヤルラミーを掛け合わせて染が可能なようにP下に仕上げさせていただきました。

さてさて、秋も深まり、今年も本生産の時期に入ります。気温も下がって動いていても非常に気持ちのよい日々。暑い夏を乗り切ることができたので、同じ調子で仕事をしても個の過ごし易さが救いです。
2013年09月22日
アパレル以外の仕事で、フランスの工場に生地を発注したけども納期が間に合わないと言う話を聞いて、フランスでも、まだ、おじいさんおばあさんが織機を動かしているんだろうなあと思いました。そういう生地というのは本当に希少な気がします。

林与の倉庫にもたぶん30年以上前の糸だと思いますが、フランスのルブランのリネンの糸が70kgほど残っています。これは本当に金色の糸で、幻のフランス紡績のリネン糸。

事務所の箱の中に、地元の繊維工場さんの名前が絣で入っているリネンのセンスのよいテーブルセンターを見たときに、すごい良いものをその繊維工場さんは昔作っていたのだなあとこの地域の水準の高さに感心をしていて、50周年の祝いに招かれて、その会社から貰ってきたものだと思っていたけども。母親の話を聞くとその繊維工場の社長に頼まれて、林与が作って、お集まりの麻関連のみなさんにお配りになられたものだという。そんな記念品に使ったのがルブランの糸。

上島佳代子先生に昔東京の出版社で見せていただいたのが、フランスのアンティークリネンのドビーの柄の豪華な感じのマングルクロス。まさに、ゴールドっぽい色をしていてフランスリネンの風格が漂っていました。フランスのリネンは、アイリッシュリネンと比べると資材系のリネンなので番手が太い。アイリッシュリネンは同じゴールドでも細くても強いというのが特色。

もし、まだフランスで金色のリネン糸を手に入れることができるなら、フランスの機屋さんがうらやましいなあと思う。エジプトの糸はややマットなイエローなのである。私自身もフランスに行っていろいろと調査してみたいものだと思い当たる節が何度もあったが、北アイルランド以上に紡績が途絶えるのが早かったフランス。フランス産のリネン糸にめぐり合えることがありうるのだろうか。雑貨用の太い糸なら手紡という手もあろうかと思う。
2013年09月21日
今日は太陽が朝から強く照り、外に出るたびに工場の中で仕事しているのがもったいないような気がしました。工場の中の空気と外の空気とではまったく違うというのを特に今年感じます。外に出ると感じるのが空気が透き通っている感じで、外で糸を触る仕事なら一日中していてもそれほど疲れないだろうなあと思います。

この週末は、リネン25番手をアパレル向けに織る仕事をこなす予定。定番のリネン25番手は、シャトルで通常織るのですが、アパレル向けということで、織段の問題や納期の問題があるので、このお仕事はレピアでこなす。使うレピア織機は、カバン用の太い糸を織っていて、縦を残したまま、半年動かしておらず、他の台ので、レピアのヘッドの調子が悪かったので、レピアバンドを交換して、ネジを締めない状態にしておいたら、それを知らないものが、動かしてレピアバンドが左右とも折れてしまって、レピア交換から。

カッターもカバン用の太い糸を織っていたので切れにくくなっていて、これも交換。捨て耳のローラーのチューブも緩んで来たので左右とも短く調整。織り出した時に縦糸のテンションがきつすぎる、ビームの送り出しが怪しいなあと思いながらも様子を見ながら、久々の運転。半年ほど使っていない織機でしたが、動き出すと、計算上の理論値にほぼ近い1時間7mのペース。休み明けの加工出しに間に合いそう。

もしこれがシャトルだと糸のロットの中でシャトルが替わるときのテンション差の問題や、紡績の錐の差、一つの巻きのなかでの太さ加減のゆったりとした変化などが、織り段として現れてくることがある。また、後染めなどに使われると、糸の太さムラによる織り段は染でもより、細いところが濃く染まり、太いところは染まり難いという問題と絡んで段の問題が加速されることが多い。

麻織物って織るのは難しいのですか?と聞かれることがありますが、太い番手の麻糸だと、テンションに関しての違いはあるものの綿の織物のように切れることなく織ることができるので、高密度とかでなければ、良い糸さえ選べば織ること自体はそれほど難しいものではありません。が、細い糸の場合は、普通くらいの企画でも、糸が切れやすいだけでなく、縦も横も本数が多くなるので織るのが難しいこと多いです。

150番手クラスのアパレル向けに密度を上げたタイプは、2ヶ月で100mちょっと織れるかどうかとか、実働が半分としても、一日に3メートル程度しか織れていないことになります。糸切れで織機がとまれば止まるほど織り段などの問題も増え神経を使います。
2013年09月20日
この1ヶ月ほど動いていた案件の最終出荷が昨日の晩遅く。ぎりぎり間に合ってほっとしていたら、今日の午後に電話をいただいて荷物が届かないという状況。お客さんの側で調べて下さるということで、お任せすると、近くの営業所まで届いていたということで助かりました。
2013年09月19日
今日は一つの目標の納期のものを出荷完了。ギアを使うと送り出しがうまく行かない問題などが出てきて、整経を10回以上に分けて繋ぐ、見本のような作業の繰り返しで対応、人の手の感覚で見本と同じものを作り出して行きました。

一苦労の詰まった布というものは、ハギレであっても何か使えるはずだと思って用途を探すと、いろいろなものに使える結果になりました。L25HDのシリーズは非常に好評をいただいておりますが、そのコンセプトを引き継ぐ、より厚いタイプの布です。

今回の仕事も始めての量産ということがあって、通常の2倍くらいの糸を用意して対応したため、様々な問題にぶつかりながらでも、試行錯誤を繰り返し、途中で方法を変えながらでも、必要な長さを用意できました。納期がぎりぎりで失敗ができない、また、問題が起こりうる可能性も考えて安全に準備して足りた話です。

こういう無駄な想定は、否定されることも多い要素ではありますが、必要になって来ることも多いものです。納期のある仕事で難しい仕事をするとうまく行くことなんてほぼないというのが実際の話で、本生産で、1回、2回うまく行ったとしても10回やって1回、2回失敗すると織物の会社なんて回らなくなるもので、経験上、つねに、無駄な想定をしておけるようなスキームは大事だろうと思います。

どうやって無駄を減らしぎりぎりでやるかばかり、それでは、無駄な経験や失敗の経験も積むことが出来ません。失敗をしたくなければ難しいことは避けて通ればよいだけのこと。失敗を避けて通ってこられた方と失敗の経験を積んでこられた方では、失敗の経験を積んでこられた方のほうが何倍も仕事に精通しておられるものです。

デザイナーや企画の皆さんとお話しするときに、こんなことは出来ますかとか、ここをこういう風に変更できますか、という話が多いのですが、話している流れのスピードで、それに答えられるかどうかは、失敗してそれをどこまで乗り越えようとした経験を持っているかどうかが大事だったりするものです。
2013年09月18日
今日は東京でアパレルさんの麻をテーマにした商談会、初めての参加の機会をいただいたのですが、麻関連の企業さんが集まっておられましたが昔からの知り合いの方も多く、商談会の合間もいろいろなみなさんが声を掛けに来て下さり、日ごろは工場の作業に没頭していることが多いのでプライベート的な近況報告などさせていただいたりです。

世界中を動かれている皆さんとお話していると、世界中探し回っても麻でできることというのもどこもが似たようなもので現実的には限られているというのを感じます。それほど日本人のものに対する思い入れというのは世界でも一番くらいに強く、謳いを欲しがるものです。日本以外というのはウンチクをそれほど必要としないものです。

そのウンチクというものが実際のものの良し悪しとは別の部分で、モノの付加価値要素となることも多いものです。林与自身の存在やものづくりのスタイルそのものがウンチクの塊みたいなものではありますが基本はそういう部分を語らずしてもモノから良さが伝わるというのが大事で、商売のスタイルとしても美しい形だろうなあと私自身は思っております。
2013年09月17日
今日は、午前中、京都に急ぎの糸をとりに行きました。高速道路は反対方向は混んでいたのですが、京都方面はスムーズ、でも下りてから、連休明けでかなり混雑模様です。帰りが困りました。栗東まで高速道路を使って下道に下りた途端、国道は非常にゆっくりとした流れ、高速道路が上り方向閉鎖になっている影響がモロに出ていました。

加工工場さんに頼んでいる案件があって、それを今日の午後やってもらって、夕方から作業して夜の出荷。仕事というのはやってみないとわからないことが多く、経験というものは本当に大事だなあと思います。最初から一番良い方法に当たればよいのですが、通常は試行錯誤の上に一番形になりそうな方法を選ぶもので、ちょっとずつ良い状態に近づいていく。

休み明けなので小物関係の縫製を頼んでいる業者さんとも連絡を取り合って、今週の段取りを決める。また、通信端末も今日新しいものが届いて、メールの送受信が正常に戻りました。大変ご迷惑をおかけしましたが、メールでのご連絡を再開させていただきます。
2013年09月16日
今日は、台風、ダンボールの空箱などが徹底的に飛ばされてしまいました。朝方、雨と風がひどいので、たぶん、台風だと思ってはいましたが、新聞で確認すると大きな台風が襲来。停電が7時頃から夕方まで続いてしないといけない仕事も抱えていて困った状況。外にあるコンセントに水が被っての漏電が原因のようで、夕方回復。

家のほうも、部屋も誰もいないのに2階から音がするので、おかしいなあと思うと雨漏り、仕事に終われ雨戸を閉め忘れサン伝いに雨が家の中に入り込んだ模様。

電話の社内の交換機も電源が落ちて働かず、普通の電話なら停電になっても大丈夫なのに、ライフラインが閉ざされることの不便さを感じました。今は携帯電話があるので、それほどまでに仕事などでも困ることがないのが救いです。

また、ネット通信端末の故障で、この1週間ほどメールの送受信(とくに送信)に関しましてスムーズにできておりません。連休明けには端末の届き復旧の見込みですので、ご注文をいただきました皆様には、ご不便をおかけいたしますが、今しばらくお待ち下さいませ。
2013年09月09日
シャトルの6号台の音が、「すいません、すいません」といいながら織っているように聞こえる。この1ヶ月ほど織り続けてがんばっているのに、動く音が、「すいません、すいません」、と聞こえるのはかわいそうな話。

そんながんばっていた6号台の音が、急に変に変わって、シャトルを挟むようになった。ステッキを叩く部分の鉄のネジ部品が外れてプラスチックが取れてしまったからだが、どのくらいの力で叩くかで、シャトルを挟んだり挟まなかったり。

シャトルのスピードが遅いからは糸に挟まるのではなくて、シャトルのスピードが速すぎて、反対側で跳ね返って止るために、その反対側で叩かれるときに距離が大きく、力が伝わり難いので、反対側でしっかり叩かれないことでシャトルのスピードが遅くなり、反対側から帰ってくる時に鋏んでしまうということ。

叩く力を落としてあげて、シャトルが綺麗に反対側で止るようにしてあげると、反対側でしっかりと叩かれて帰ってくる。急ぎの仕事でシャトル織機が不調になるとすごくあせるのだが、冷静になって物事をみると、どこかに正しい答えというものはあるものだ。

シャトルの6号台、元気に復活し、直ってよかった。でも、もう音は、「すいません、すいません」じゃなく、すごく偉そうな音で「ドドドン、ドドドン」な感じ動いている。本来は、この音であるべきなのだが、「すいません、すいません」といいながらがんばって動いているほうが親しみを感じることができた。

シャトル織機を修理していると手が油で真っ黒になる。そんなときに電話が鳴って、電話を取るのか取らないのか迷うが、思い切って取って話をすると、案の定、白い受話器は、油汚れで真っ黒。どうやって白くするかだが、リネンが活躍、乾いたリネン25HDのハギレで、拭いてあげると汚れも広がらず簡単に真っ白に戻ってびっくり。
2013年09月08日
今日は、工場の中でノートパソコンを触っていたら、台から落ちそうになって手で支えたけど、刺さっていたノートパソコン用のUSBの通信端末が、根元からぽっきりと折れてしまって、またまた、ネット難民モードに突入。この端末の壊れやすさは以上で、10回以上も同じ端末を壊しては購入の繰り返し。

良いように解釈すれば、通信端末が壊れることで、ノートパソコンのUSB側は壊れないということ。昔あった、PCカードタイプの通信端末のほうが壊れなくて便利だった。

新しい端末を手に入れるまでは、モバイルポイントなどでメール確認などを行いますが、ネットへのアクセスがしばらくの間難しくなりそうです。
2013年09月07日
会社のインターネットの通信回線状況がよろしくないので、光回線を検討。でも、まだまだ田舎で、回線を引こうとしてもなかなか手間が掛かります。事務所に回線を引こうと思いましたが、電柱から斜めにケーブルが事務所の前を横切りそうで、よい感じがせず。結局、電柱に一番近い工場の片隅にセッティングしてもらうことにしました。

最初は、一番電波の飛びやすい場所に設置しようと思っていたのに、それ以上に、景観のほうが気になってしまったのです。電柱や電線というものは必要だとは思いますが、効率を優先すると景観を損ねてしまいます。

昔、カリフォルニアのアーバインという町に住んでいましたが、洗濯物を外に干すことが禁止だったり、電柱や看板が禁止だったりと、それは、美しい町でした。そこまでするのかというほどに景観重視で、また、消防車が普段に回転灯等を回していたりするとそれをパトカーが見つけて消すように指導するなど正しすぎて驚いたものです。
2013年09月03日
リネンというのは水を通すと腰がなくなる。リネンは綿の4倍の吸水性を持つといわれるが、リネンが水を含んだときの物性の変化というものは生きているという感じ。リネンが人の肌に馴染みやすいのも、水に対しても天然の反応をするからで、それこそが無理のない反応だろう。

化学物質に敏感な方がたどり着かれるのが麻やシルクだったりする。植物性、動物性の違いはあっても、どちらも古来からの繊維で、人との付き合いが長いことが安心の実績。合成繊維というのはここ200年ほどの歴史。

ときどき思うのが、アインシュタインのような有能な人にしても罪な存在だということ。科学をもたらしたけど、それが人類を急速に発展させる。発展こそが良いという考えが果たして正しいのかというのは、常に疑問。本質的なものを求めるときにそれは発展とは違う形におさまるものだろう。
2013年09月02日
9月5日に、東京のアトレ吉祥寺1Fで、JUNさんによる SALON adam et rope のお店がオープンします。カフェのほか、いろいろな作家さんの作品やアパレルが集うお店。その中のアイテムとして林与が別注で織らせていただいた生地を使った、キッチンクロス、ランチョマット、エプロン、ミトン、ランチバック、トートバッグなどのアイテムが並びます。

リネンのラフさがあったり、洗いざらしのようなナチュラルな雰囲気が漂う素材も、綺麗に仕上げたものとは違う魅力で、新鮮なんではなかろうかと思います。詳しくは、http://salon.adametrope.com/ 東京でお時間のあられる皆様はお店に脚をお運び下さいませ。

2013年09月01日
9月になって雨、これは恵みの雨というものだろう。日本中が暑い夏で喉が渇いたような状態、そこに大地を潤すようにしっかりと雨。水が循環するということは、環境にとって非常に大事なことだと思う。

カリフォルニアには蚊もゴキブリもいない、ポップコーンが1週間湿ることもない、砂漠に水を引いて出来上がったオアシス。まさに楽園。人はそういう快適な環境を手にしたがるものだが、それはそれで人そのものの考え方までも変えてしまう怖さすらもある。それで国というものが滅ぶがため、満たされぬ欲望を外に向け戦争が必要となることもあるだろう。

この涼しさ仕事には嬉しい。雨が降っていることで糸にも水分が補給され織りやすい。冬場というのも同じで、雪に囲まれていると糸が乾燥をしにくく織りやすい。この夏は忙しすぎた自分の流れを取り戻すべく、秋から冬に掛けて調整を加えたい。