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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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2014年4月
リネン日記:26
2014年04月10日
近江上布プリント柄をリネンの超細番手素材に置いたストールの試作が上がってきました。林与が取り組んでいる近江上布プリント柄プロジェクトがリネンの超細番手プロジェクトと融合し、今年は、イタリアとフランスの展示会に出展しお披露目をする予定です。

国内では、5月21日22日の東京国際フォーラムでのPTJにも出展をするのでそのときご覧いただけますが、プレミアムテキスタイルに入れるのは業者の方のみですので、一般の方にご覧いただく機会は、秋のジャパンクリエーションの機会になろうかと思います。

プリントされたストールは、近江上布の雰囲気を再現しているので、どれもが懐かしい色合いに染まっているのでレトロ感も漂い特色が出ています。日本人が愛した色柄を世界に向けで発信するプロジェクトで、日本のファッション業界としても意味があることではなかろうかと思います。

近江上布の蝶柄同様、インクジェットバージョンも超細番手のアパレル生地にプリントしてワンピースにしてもきっと素敵じゃないのかなあと思っております。
2014年04月09日
繊維業界におけるクールジャパンに関する公演会の案内をいただいた。ジャパンのイメージがクールなのかというと、クールに感じてもらえるような感性が伝わるようなものづくりをしないとならないと思う。

島国であるということは、悪いことじゃない、ほかの国とは違う文化や価値観を持っていることも悪いことじゃない。特に、着物の世界では、日本の布の文化というのは世界の最高を極めているといってよかった。

近江上布のハギレ海外の展示会では、日本の文化そのものに映ると思う。日本人でも吸い込まれる人が多いけれども、アジアの絣とは違うものづくりが流れているのだ。民芸品じゃなく、芸術品としての価値がそこには詰まっているといえる。版画や絵画以上に手間隙がかかり、価値のあるものをなぜ身に付けるというようなことを日本人は好んだのか。

とことんまで労力を布に詰め込むという点においては、日本の着物の世界のものづくりは最高水準ではないのかといつも思う。コンをつめて働くということが高く評価され、それはものを評価しているだけでなく、人というものを高く評価していたということだろうと思う。

働く人が懸命に働いていくらかのお金を貰って満足し、買う側もいくらかのお金を払って物を手に入れ満足。今は、そのバランスすらもが成り立ちにくくなって、ものづくりが、どんどんと日本でできなくなってきているのだろうと思う。商業ベースじゃない、昔の対面的な商いというものクールじゃないのかなあと思ったりする。

自分自身が海外の人と出会い自分が作った布を売るというのは、仕事としては大きくならなくても、割にあわなくても特別の価値があろうかと思う。出会って気に入って買ってくれる人がいたとしたらそれは本当に素敵なこと。
2014年04月08日
なぜか、ベトナムのドイツのミュンヘンバーのライブが新鮮。というのも、キーボードが男性二人で、ボーカル兼バイオリンの女性が一人のライブ。食べ物を食べるだけでなく、こういった余興的なものもそれなりの楽しみで、お客さんも多い。口パクなだけでなく、音楽もすべて演奏している真似。日本の生放送やコンサートでの口パクというのはよくあることだが、こんな小さなレストランでのアトラクションすらも弾いている真似というのは新鮮だった。

昔、大学生の頃、友達と京都のバーにいって、ピアノの演奏が始まった。2曲ほどだったと思うけど、会計のときに、何の説明もなくピアノチャージということで一人3000円余分に請求されていたけど、このレベルで商売がなりたっている日本というのもすごいと思った。

ほかに面白かったのは、テックスワールドの展示会の会場近くにある、名古屋居酒屋に入ったときのこと。日本の経営者ががんばってパリ郊外でお店を開いているのかと思いきや。入ってみると、中は居酒屋ではない雰囲気、キャバレーのようなセッティング。経営者は日本語が通じない。中国系の経営者のようだ。

お客さんは私一人、店長以外に料理職人みたいな人もいる、若いお店の女の子がお客さんもいないのにたくさんいる。これまた、ぼったくられるかと思い、ぼったくられてみようと、値段も分からずにいろいろと注文をしてみた。食事だけで3時間ほどいただろうか、ワイン1本と3人分くらいの料理を注文して食べまくって払ったのは4000円ほど。

旅先での食事というのはメニューも読めずに注文をするので当たり外れが多いから面白いと思う。
2014年04月06日
今日は朝から東京に行こうと思って作業をしている間に、出発が午後になり、米原の駅で駐車場を探しても満車ばかりで、車が止められず、新幹線に乗るのが遅くなり、東京に着くと5時半。展示会の終わったAQAで小林さんにお会いして近況報告など。

リネンシャツでも真ん中にディスプレイされている50年以上前に織ったアイリッシュリネンを使用した染下生地の赤と白の2枚のシャツは雰囲気が違う。特に赤は色が綺麗でかつ深く、綿ともシルクとも違うリネン素材の色の美しさを奏でている。

ベルギーやフランス産フラックス原料の現行の糸でそれに迫ろうとつくったブルーのタイプなどもよい感じまで迫っているとは思うが違いを感じるし、違ってよいのだろうと思う。興味のあられる方は、青山通りの一本裏の通りにあるAQAでその違いを感じていただきたい。
2014年04月02日
4月に入って、気になるのが、消費税アップに伴う値上げ。ガソリンは5円ほど上がった感じ。送料なんかも上がってきている。物価が上がる傾向というのは、ものづくりしているものにとってはものの価値が上がるので悪いことではないのだけれども、結局は大きな反動というものがあるのでそれのほうが怖い。

消費税アップで日本の財政を救えるとは思えんが、輸出企業が集めた消費税納付をしないことで、税制の偏りが増し、輸出型に企業の行動が移ることになろうかと思う。集められた消費税が納付されていない部分すらも解決せずにそれを加速する。消費税を適切に納付できるように輸出消費税なるものを新設するべきではなかろうか。

ここ数日、徹夜モードが続いているので、体力が落ちてきた。お昼に半年振りくらいに、食べ放題に行って充電した感じ、今日は、夜になってもお腹も空かず元気なまま。昔の人にはこういう贅沢もなかったからこそ、よいものが出来たのだろう。また、宗教心以外の部分でも、村の祭りなどが唯一思い切って飲み食いできるようなチャンスだったから祭りなども大切にされたのだろうと思う。
2014年04月01日
「つなぐ通信」の春号を成田さんが届けてくださいました。「お元気ですか、個人的な春は来ましたか?」というコメントを添えて。仕事に追われすぎて、ボロボロなことの多い林与ですが、いつも応援して下さってありがたいです。40過ぎたおっさんが心配されているというのも面白いところですが、林与はおっさんにはまだなりきれていないところもよくわかってくださってるんだろうと思います。

今回のつなぐ通信では、藍染の機屋さんが紹介されていました。ぜひ、つなぐ通信を手に入れて皆さんも読んでみてください。昔ながらの仕事が日本に残っているというのも、世界的にみても希少なので、そういうところに専門家や行政のみなさんも気がついてほしいものだと思います。そういうのって、損得を超えた世界だからやっていけるのですが、損得勘定の目で潰そうという力が働きがちなものです。