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リネン生地と麻の老舗 【林与】
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ビンテージアイリッシュリネンハンカチ生地 ハードマンズサイオンミル140番手

 (しが新事業応援ファンド事業の初年度にできあがりましたリネンハンカチ生地、35年ほど前に林与が購入しましたハードマンズ社サイオンミルで紡績されました140番手のリネン糸を使用して織り上げました。ビンテージリネンのイメージを引き出すためにアンティーク調のキッチンチェックをデザインしました。)

林与では、21年10月1日より、正式に、アイリッシュリネンハンカチプロジェクトを立ち上げます。今では手に入らないアイリッシュリネンの超細番手を林与の織の技術で先染に織り上げる、世界でも林与だけにしかできない究極のリネンプロジェクトです。

アイルランドで原料のフラックスが栽培されなくなりリネン紡績が行われなくなった今、リネン業界においても、本物のアイリッシュリネンを求める声は大きいものの、本物のアイリッシュリネン糸というものをもう手に入れることは出来なくなってしまっています。

そんな背景のなか、アイリッシュリネンを謳える本物とは何かを考えたいと、林与は、30年以上林与の倉庫に眠っていた昔の北アイルランドのハードマンズ社のサイオンミルで紡績された本物のアイリッシュリネンを蔵出して織り上げるプロジェクトに挑みます。

アイリッシュリネン糸を使用した生地なんて普通に織られて売られているではないかと思われる方もあろうかとは思いますが、今回のプロジェクトが、どれだけ世界的に見ても画期的なことであるかを説明するために、アイリッシュリネン糸に関する補足説明を以下付け足していただきます。 

補足1) 現在、 アイルランドの原料を使用したとか、アイルランドで紡績された糸を使ったと謳う、アイリッシュリネンが出回っておりますが、麻の業界では実態のない表現として疑問視しています。残念ながら、リネン業界では周知の事実が、販売されておられる方や消費者には正確に伝わっておりません。

補足2) アイルランドで織られたという意味でのアイリッシュリネンはございますが、アイルランドでは事実上、リネンの紡績がもう行われていないという事実からしても、使われている糸はアイルランド紡績の糸であることはなく、中国やイタリアなど第三国で生産された糸を使用していると考えられます。アイリッシュリネンヤーンというのはもうアイルランドのウィーバーですら手にすることができないものとなってしまっているのです。

補足3) 資材系は別としましても、服飾向けの世界では、品質の高い糸を使うのが標準となっており、通常ヨーロッパ産のフラックス原料が使用され、紡績地が中国であったりするわけで、いまや、中国が、ヨーロッパ産フラックス原料の最大の消費地であり、中国紡績の水準も世界トップクラスのところが増えてきており、決して、中国糸の品質が悪いわけではありません。ただし、街の切売屋さんにある中国から輸入されたリネンなどは糸の表情からして中国原料を使用していると思われます。

補足4) 林与でも、フランスやベルギー産の原料を使用したリネン糸を使っておりますが、お客様に誤認を与えるような不当表示を避けるため、「アイリッシュリネン」「フレンチリネン」「ベルギーリネン」「ヨーロピアンリネン」とは謳わずに、フランスやベルギー産フラックス原料を使用した中国紡績糸であるという表記に統一しています。日本の消費者の皆さんが、アイルランド紡績糸、フランス紡績糸、ベルギー紡績糸が大量に世の中に出回っていると思われているかもしれないという状況を危惧しております。糸の原産地、すわなち紡績国に関する情報を伝えることが大事だと考えます。

補足5) イタリア紡績のリネンをアイリッシュリネンと謳うケースもあるようですが、イタリア本国紡績であればイタリアンリネンが適切ではないかと考えます。林与の場合、イタリア紡績糸を使用した場合には、イタリアンリネンという表記にしています。

 

ビンテージアイリッシュリネンハンカチ生地 ハードマンズサイオンミル140番手

 (初年度は全部で30種類の色柄のハンカチを完成いたしました。ハンカチに仕上げるために、ハンカチの大きさに柄を配して織り上げています(左右に2枚分づつ追っていきます)。生地にとことんこだわりをもっただけでなく、仕上げもハンカチ専門店「H TOKYO」さんのご協力により、日本の職人技の生きるハンドロールドヘム仕上げとなっております。アイリッシュリネン糸(ハードマンズサイオンミルLEA140)だけでなく、日本の麻の本場近江の職人集団【染(澤染工さま)、織(林与)、加工(大長さま)】、そして、ハンカチ縫製(H TOKYOさま)という妥協のない顔ぶれで作り上げた作品となっております。