リネン日記
在庫の拡充
2012年08月04日
キッチンクロスのHDタイプが最近ようやく織りあがりました。これも半年ぶりくらいの在庫の拡充で、ストール関係もパープルX生成とブルーX生成、リネン150番手ストール生成、L60番手リネンガーゼストールのカラーバージョンなどをつくったりして、在庫を増やしました。
定番のソフト仕上げなんかにしましても、いったん在庫がなくなると半年とかときには1年とか生産に掛かってしまうというのはいかがなものだろうかと私自身思うのですが、特にシャトル織機で織るリネンというのは通常の織機に比べると3倍くらい時間が掛かってしまいます。ストール用の生地や切り売りでお買い上げいただく生地の場合には、耳まで大事なことが多いので急いで作ることは良くないのです。シャトル織機で織ること自体が技術を要するのでどうせなら綺麗に織り上げたいものです。
この数日、リネンの高密をを織るために最初の打ち込みをあげるのに時間と頭を費やしています。レピアとシャトル織機の織りあがりの風合いの違いに関しても、林与の持論だった話も織物業界の中でも定着をしてきたようです。シャトルの織物がふっくらとしているのは、シャトルから出るノーテンションに近い糸が斜辺的に打ち込まれることにより、織った時点ですでにゆったりと織られているからです。シャトル織機で厚いものが織れるのもそれが大きな理由です。
織れない糸を織れないとわかりながら、同じ糸を、レピア、ジャガード、シャトルの順番で織機に乗せてそれぞれに1週間以上の織機の調整を掛けたことが昔ありました。レピアというのは、素人の人でも織れるように壊れるまでの調整ができないように歯止めがしてあるのを強く感じました。ジャガード織機というのは柄が織れるだけでなく、縦糸のコントロールという面では優秀で、北アイルランドのダマスク織りなども今は最新のジャガード織機で織られていますので、複雑なものを手がけるときに一本一本に掛かる負荷をジャガードの機構があるていど調整する力を持っています。
しかしながらも、一番織るのに適しているのはシャトル織機で、織機だけの問題ではなく、一度馬鹿な調整をして織ってしまうと織機が修復不能になってしまうシャトル織機というのは、調整しだいで同じ織機でも別の座標で織物を織ることにつながります。
織物を考えるときに織物というのは普通に織れるものだという感覚があるかもしれませんが、それは普通の織物の世界で海外のように量をたくさん流していくことを考えると普通に織れるものなのです。そういうものというのは物性なども当たり前に安全で、糸の良さで物性をカバーするとか、染めの良さで物性をカバーするとかまで行く必要がないものです。
ほんとうはそこまで張り詰めて考えて織物を作る必要がないのかもしれませんが、世の中にないものを求められるときに、そのリスクが理解できていて全体で共有しながら良いものを作ろうとしていくと簡単なのですが、アパレルメーカーさんというのもOEM生産が多くなり縫製の技術がないと、素材の特殊性を生かして、特別なものを世の中に出すというのも出来なくなってきています。
検査がすべてであるという素材の判断は、逆に素人でも素材が扱える世界につながり、先日も検査に精通されている方と話をしていても、数値依存で素人なものしか作れなくなったなあという話になってしまっています。数値に依存することなく、自分の目や手で職人的にトータルなものづくりができることこそが、神の領域に達するような差別化したものづくりにつながるのですが、紙の領域に縛られ大手ブランドさんほど素人なものしか扱えないということも多いものです。百貨店店頭と路面店ブランドとでは、路面店ブランドのほうがものづくりに精通しておられるケースが多くなってきています。
繊維で品質偽装や産地偽装問題が頻繁におこるのも、本質的なものづくりが欠如して、謳うべきがただ単に組成や産地に依存してしまっていて、どうゼロのものを10倍にして売るかを考えているばかりな最終的には消費者を騙す結果になってしまい。ふぐや牛肉じゃあありませんが、着物の時代から繊維業界というのは似たような体質が常にありますので、確かなものづくりというのは大事だなあと思っています。産地のイメージを守るのは常にそれとの戦いです。
プロの目が欠如して。麻の業界においても誰もが糸も手に入らないといわれたアイリッシュリネンがその希少性を売りながら大量に出回りましたが、中国紡績の糸がアイリッシュリネンの糸を使用していると謳われながら、日本での大手の糸商さんや百貨店ブランドさんが生き残るためのありえない差別化で素人的な偽装。百貨店さんも騙されすぎてはおられるのですが、そういう業者さんは商売の体質ですので懲りないといけないと思います。
数箇所から南アフリカで紡績されたリネンがイギリスの船積み証明をとって、アイリッシュリネンとして販売されたという話が業界では流れています。超高級ブランドさんが騙されたのか、嘘話にのってしまったのかは分かりませんが、リネン業界でも高級ブランドさんが謳いにされた部分がデマとして流れいます。高級ブランドさんも気の毒な話ですが、ブランドの名前を背負っておられるだけに、業界では当たり前に担当された方の資質というものが問われますというか、偽物をつかまされてブランドとしての存在が自体危ういところ。
麻業界でも近江湖東で織られる麻布というのは本当に希少になりつつある中で、百貨店さんもアイリッシュリネンの二の舞ではありませんが、しっかりと、機屋で本生産をしているのかなど確かめてその希少性をしっかりと謳ってもらうことが、素人の世界と違うプロの対応ではないかと思います。海外や他産地ものが増える流れの中で、消費者は本物を探しておられるのに百貨店やブランドさんが偽物をつかまされたり、消費者を騙すことになってしまっていたり、京都の西陣織などでもそのほとんどが海外で生産をされてしまって、消費者は本物の産地産にたどり着くのも何十分の一、何百分の一の確立であったりでとういのが普通になってしまっています。産地に来て、産地産だと信じても、京都の呉服商さんが扱われるものは海外産の手織りの麻布だったりします。産地では手織りは何十年も昔から、ごく一部を除いては、海外産がほとんどというのは有名な話ですが、産地の実情も知られないで産地産だと信じておられたのが逆に不思議でした。
本物を求められる消費者の方には、本物志向で本物にたどり着いていただきたいというのが思いです。産地でつくり続けることは安い多産地産や海外産が同じ看板を背負ってしまうと難しいものです。産地フェアーなんかでも、一番大事な謳いの部分がごまかしというのも買われる方にとっては厳しい話じゃないですか。
定番のソフト仕上げなんかにしましても、いったん在庫がなくなると半年とかときには1年とか生産に掛かってしまうというのはいかがなものだろうかと私自身思うのですが、特にシャトル織機で織るリネンというのは通常の織機に比べると3倍くらい時間が掛かってしまいます。ストール用の生地や切り売りでお買い上げいただく生地の場合には、耳まで大事なことが多いので急いで作ることは良くないのです。シャトル織機で織ること自体が技術を要するのでどうせなら綺麗に織り上げたいものです。
この数日、リネンの高密をを織るために最初の打ち込みをあげるのに時間と頭を費やしています。レピアとシャトル織機の織りあがりの風合いの違いに関しても、林与の持論だった話も織物業界の中でも定着をしてきたようです。シャトルの織物がふっくらとしているのは、シャトルから出るノーテンションに近い糸が斜辺的に打ち込まれることにより、織った時点ですでにゆったりと織られているからです。シャトル織機で厚いものが織れるのもそれが大きな理由です。
織れない糸を織れないとわかりながら、同じ糸を、レピア、ジャガード、シャトルの順番で織機に乗せてそれぞれに1週間以上の織機の調整を掛けたことが昔ありました。レピアというのは、素人の人でも織れるように壊れるまでの調整ができないように歯止めがしてあるのを強く感じました。ジャガード織機というのは柄が織れるだけでなく、縦糸のコントロールという面では優秀で、北アイルランドのダマスク織りなども今は最新のジャガード織機で織られていますので、複雑なものを手がけるときに一本一本に掛かる負荷をジャガードの機構があるていど調整する力を持っています。
しかしながらも、一番織るのに適しているのはシャトル織機で、織機だけの問題ではなく、一度馬鹿な調整をして織ってしまうと織機が修復不能になってしまうシャトル織機というのは、調整しだいで同じ織機でも別の座標で織物を織ることにつながります。
織物を考えるときに織物というのは普通に織れるものだという感覚があるかもしれませんが、それは普通の織物の世界で海外のように量をたくさん流していくことを考えると普通に織れるものなのです。そういうものというのは物性なども当たり前に安全で、糸の良さで物性をカバーするとか、染めの良さで物性をカバーするとかまで行く必要がないものです。
ほんとうはそこまで張り詰めて考えて織物を作る必要がないのかもしれませんが、世の中にないものを求められるときに、そのリスクが理解できていて全体で共有しながら良いものを作ろうとしていくと簡単なのですが、アパレルメーカーさんというのもOEM生産が多くなり縫製の技術がないと、素材の特殊性を生かして、特別なものを世の中に出すというのも出来なくなってきています。
検査がすべてであるという素材の判断は、逆に素人でも素材が扱える世界につながり、先日も検査に精通されている方と話をしていても、数値依存で素人なものしか作れなくなったなあという話になってしまっています。数値に依存することなく、自分の目や手で職人的にトータルなものづくりができることこそが、神の領域に達するような差別化したものづくりにつながるのですが、紙の領域に縛られ大手ブランドさんほど素人なものしか扱えないということも多いものです。百貨店店頭と路面店ブランドとでは、路面店ブランドのほうがものづくりに精通しておられるケースが多くなってきています。
繊維で品質偽装や産地偽装問題が頻繁におこるのも、本質的なものづくりが欠如して、謳うべきがただ単に組成や産地に依存してしまっていて、どうゼロのものを10倍にして売るかを考えているばかりな最終的には消費者を騙す結果になってしまい。ふぐや牛肉じゃあありませんが、着物の時代から繊維業界というのは似たような体質が常にありますので、確かなものづくりというのは大事だなあと思っています。産地のイメージを守るのは常にそれとの戦いです。
プロの目が欠如して。麻の業界においても誰もが糸も手に入らないといわれたアイリッシュリネンがその希少性を売りながら大量に出回りましたが、中国紡績の糸がアイリッシュリネンの糸を使用していると謳われながら、日本での大手の糸商さんや百貨店ブランドさんが生き残るためのありえない差別化で素人的な偽装。百貨店さんも騙されすぎてはおられるのですが、そういう業者さんは商売の体質ですので懲りないといけないと思います。
数箇所から南アフリカで紡績されたリネンがイギリスの船積み証明をとって、アイリッシュリネンとして販売されたという話が業界では流れています。超高級ブランドさんが騙されたのか、嘘話にのってしまったのかは分かりませんが、リネン業界でも高級ブランドさんが謳いにされた部分がデマとして流れいます。高級ブランドさんも気の毒な話ですが、ブランドの名前を背負っておられるだけに、業界では当たり前に担当された方の資質というものが問われますというか、偽物をつかまされてブランドとしての存在が自体危ういところ。
麻業界でも近江湖東で織られる麻布というのは本当に希少になりつつある中で、百貨店さんもアイリッシュリネンの二の舞ではありませんが、しっかりと、機屋で本生産をしているのかなど確かめてその希少性をしっかりと謳ってもらうことが、素人の世界と違うプロの対応ではないかと思います。海外や他産地ものが増える流れの中で、消費者は本物を探しておられるのに百貨店やブランドさんが偽物をつかまされたり、消費者を騙すことになってしまっていたり、京都の西陣織などでもそのほとんどが海外で生産をされてしまって、消費者は本物の産地産にたどり着くのも何十分の一、何百分の一の確立であったりでとういのが普通になってしまっています。産地に来て、産地産だと信じても、京都の呉服商さんが扱われるものは海外産の手織りの麻布だったりします。産地では手織りは何十年も昔から、ごく一部を除いては、海外産がほとんどというのは有名な話ですが、産地の実情も知られないで産地産だと信じておられたのが逆に不思議でした。
本物を求められる消費者の方には、本物志向で本物にたどり着いていただきたいというのが思いです。産地でつくり続けることは安い多産地産や海外産が同じ看板を背負ってしまうと難しいものです。産地フェアーなんかでも、一番大事な謳いの部分がごまかしというのも買われる方にとっては厳しい話じゃないですか。