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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

ペーパーモア

2012年09月06日

今日も朝から紙つくりに追われていました。仕事をしていて、経営者であるということは、物を作る部分よりも紙の作業のほうがかなり時間が掛かってしまうことが多いものです。
ものづくりの場合には、職人ほど考える必要のない部分は考えずに前に進めていくのですが、紙の上の作業は分かっていることでもしっかりと毎回落とし込んでいかねばなりません。

提出物をコンピュータを使って作成していると、プリントアウトして大量の紙を使い捨てるような状態になります。ひどいときには、一文字訂正するだけで行がずれてしまうと、完璧を求めるなら全部、印刷しなおしです。コンピュータが紙以外の媒体に大量のデータを保管できるということで、ペーパーレスな時代が来るといわれていましたが、実際には、コンピュータの時代は、ペーパーモアな時代です。

紙も資源であることには変わりなく、これをリサイクルするからといって、湯水のように使うことを止めるような方向性が大事かと思います。アメリカなんかではペーパーレス化を法律で定めて動いていますが、個人のモラルの中でペーパーレスに動けるような環境を作っていくべきだろうと思います。

アメリカでも昔は、タイプライターで文章を打ちながら一文字の訂正程度は、タイプライターのホワイトリボンでカバーする程度で、一回で完璧な文章を仕上げられたというのはすごいことだと思います。文章を仕上げる作業自体が職人的でなければタイプライターを扱えなかったのは古い織機を扱うのに共通しているところです。

小学校の頃、コピー機がまだ普及していない時代は、学級新聞などは輪転機を使っていました。ああいう作業を小学校のときからしているということは今の大人のする仕事以上にすごいことだと思うのです。完璧に文章やイメージを紙の上に落として、青刷紙に清書するのは緊張そのものでした。

器機が発達して、後で訂正が可能になり、余計に人間の能力が落ちてきて、誰でも基本的な作業が機械を使って出来るようになって、一方で、それを逆手に取るかのように機械の機能が無駄に複雑になって、今の携帯やデジカメではありませんが、機能を増やしすぎて毎回マニュアルをみないと使い方が覚えきれないというのも考え物ですし、また、写真が後加工次第というのもどうなのかなあと思うところです。


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