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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

後染

2012年09月15日

昨晩は後染生地が加工工場から上がってきました。輸出のものだったので3回連絡をしていたのですが先染の産地であるが故か、なかなか後染の短いものというのは逆に時間が掛かってしまうようです。厚手のリネン100%の素材で、染工場さんにしても今までこれほど厚いものは染めたことがないといわれるほどのものでリネン100番手とは対に位置する特別なものです。

林与にとって後染めの素材というのは本当に珍しいのですが、この織物は1回1回の手作業部分が大きすぎて先染でやるのは非常に困難な織物です。糸を割ると糸の結び目ができるのでよろしくなく、縦つなぎのときも、糸を機械で結ぶことが出来るのかというとすべて手作業で結んでいきます。繋いだ糸を送る作業にしても結び目を織筬のところを超えさせるだけで大変です。織機が違うタイプだときっと楽なのでしょうが、自分の会社の環境というものは限られているので、自分でものをつくるということはそういうことなのです。

1mで700g近くある織物というのはほんと重いです。注意していないと織機も壊れるほどで実際に1度壊れてしまったのですが、糸が切れるということはほぼないもので、三本の矢ではありませんが、麻糸が鉄の鋳物の機械部品をへし折ってしまうという世界です。麻布のコレクションをつくるためみたいなための布つくりになり、同じ1mでも、通常の5倍6倍の糸を使いさらに織ることも容易ではありません。無理とそうなるところのものづくりに持っていったので、仕方がないといえば仕方ないのですが、1mあたりの目付けが15倍くらいの範疇で織物の超薄い織物から超厚い織物までが形になります。


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