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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

事例発表

2012年11月06日

今日は、再び米原の伝統産業会館で、しが新事業応援ファンド説明会の席で、ファンド活用の事例発表ということで林与が3年間取り組んだことを発表させていただきました。私自身、ものづくりのためのファンドだということは良くわかっておるのですが、ものづくりの部分以外でのいろいろな経験ができたことが自分の中での人生の宝となりました。

実際、リネンハンカチプロジェクトも、今までほとんど織ったことのない140番手の糸に挑戦をするのですから、そう簡単ではないのは分かっていたのです。織れるかどうかもわからない状態で、織れたらすごいなあと思っていましたが、織れるだけにとどまらず、先染めに挑戦をしたり、H TOKYOさんにもご協力をいただいてハンカチまでしてみたり、リネンの現行の糸を使ったアパレル向けの超細番手プロジェクトでは、布工房DENでシャツやブラウスに仕上げてもらったり、最終的な一般のお客様に見てもらえるような形まで取り組んだことなども良い経験になりました。

2000年あたりから、リネンの良い糸も手に入れるのが難しくなり始めて、特別なものを作ろうとしても作れない中、たまたま、倉庫で昔の糸が見つかったと同時にファンドにもめぐり合えて、それがこの3年間で、現実の形となってしかも情報収集などの過程で多くの方との出会いなどもあったり、また、ファンド以外の部分でも多くの方とのつながりが出来ました。

通常でもやることばかりで忙しく動いている中で、プラスアルファのことをしようとするとパンクしてしまいうまく出来ないことも多いのですが、それも経験の一つで、人生のある時点で自分自身を極限まで仕事のことで追いやってみると、今ある設備の中で、ものづくりが新たなフェイズに移行できるということも経験をしました。それは、機械の差というよりも、人のメンタリティの部分も大きいかと思うのです。タイイングマシンではつなぎにくい細いリネン糸を何千本も手で繋ぐ作業を何度も繰り返すことになりますので、忍耐力や集中力が非常に大事だったりします。そこそこ作業に慣れている人でも逃げ出したいような作業を現場のものは当たり前に乗り越えてくれたことでビンテージアイリッシュリネンハンカチは出来上がりました。

40歳というピークのときに、やっておきたいことに思いっきり取り組めたことが幸いではあったと思います。自分自身が作ったということだけで満足して終わるのも一つのものづくりですが、自分の作ったものの世界というものを多くの皆さんに見ていただくのもものづくりの大事な部分ではないかと思いました。それは、一つのものを見ていただくのではなく、ものづくりの背景というものがあって出来上がったものだから、他ではできなく特別なのだと思ってもらうことが大事だと感じたのです。

また、今日はゲストとして中小企業基盤機構からファンドの次のステップの販売面に関する支援の説明があったりで、うまく活用することで展開も容易になるのだろうと思います。ファンドの成果を現実のものとして形に変えて行きたいなあと思ってはおります。


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