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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

底冷え

2013年10月18日

今朝は、冷え込む感じ。台風の後で、愛知川の水も珍しく一面に流されている。昨日の夜、それを眺めて怖いなあと思った。普段は干しあがっている愛知川の川底しかしらないので、川に水が流れているのが怖く思える。これが川というものなのだ。

愛知川も暴れん坊川として知られていた。それを治水管理したのが依智秦氏。愛知川の由来である。天井川というのは一般に、河川は時が経つにつれ川底が高くなり、周辺で文化をそれを守るために堤防を築き上げるがために出来上がるとされるが、農業に便利なように天井川を依智秦氏がつくり上げたためではなかろうか。農業しかない昔から、愛知川は天井川として知られている。

湖東平野というのは水田化される弥生以前の昔というのは広大な森林や原と低湿地の組み合わせであったであろうと思われる。時には水害をもたらした愛知川ではあろうが、そのくらいの水量がなければ、河川の周辺で古代の農業というものは成り立たなかったのであろうといえる。一方で、大国郷が、古代から富裕な土地柄であったのも、愛知川の水量に恵まれ、水不足のための飢饉に合うことが少なかったからではなかろうか。

今はもう冬になっても雪が積もることは少なくなったが、昔は、滋賀県というのは雪深く、伊吹山の積雪記録というのは世界一というのも驚くべきことであり、鈴鹿山脈も常に雪深く、その雪解け水が愛知川の春から梅雨の時期までの水源となり、稲作に最適な風土を作り上げていたろう。

一般に、滋賀県の場合、琵琶湖があることが麻織物を栄えさせたといわれているが、私の体験や感覚からすれば、滋賀も雪深いことが麻織物を栄えさせた一番の原因ではなかろうかと思う。雪に包まれた環境というのが麻織物には最適に思う。今はもう雪が深く積もることもなくなってしまったが。


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