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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

インテキ上海最終日

2013年10月24日

今日は最終日、今回のインテキ上海を振り返ると、用意した会社案内は2日目でほとんどなくなり、アイリッシュリネンプロジェクトの冊子も2日目。英語の名刺も150枚しか用意できなく足りない。今回も準備不足を反省。英語版の会社案内がこの展示会で配れたら有意義だったろうに、それも出発前の仕事に追われてしまってその後まったく手付かず。

今回良かったのは、リネンチックゾーンに林与のアイテムを並べていただけ、よい感じにディスプレイしてもらっていてほんと良かった。自分的にはアイリッシュリネンのハンカチが特にいい感じ。ものそのもののイメージだけでなく、それぞれのアイテムには作ったときの思い出が詰まっていて蘇ってくるもの。リネンチックゾーンに出展できたのも、展示会を運営されているメサゴメッセフランクフルト香港が林与のことを覚えて下さっていてメールくださったから。晴れの大舞台に置かせていただけたことに感謝で、特に麻に興味のあられる業界の皆様向けに林与のモノづくりの強いPRさせていただけたものと思います。

また、バイヤー的なお客さんとの出会い以外に、麻関連で目立った動きをされている出展者の方も弊社ブースに多く挨拶にきてくださり、情報交換させていただけたことも良かった。上海の「集糸坊」という会社、実は3年ほど前に中国ブースを眺めて回って私自身が一番注目をしていたブースであった。リネン125番手(NM75)の双糸でニットを作られてサンプル展示されていた。スタイルが林与と非常に似ている。ものづくりに対しての意気込みをファブリックから感じることができた。その会社の社長が弊社ブースに見えられてお話しする機会を得た。

お話していると考えておられることが、ビジネスを超えて、良い布の文化を生み出していこうというような思いをもっておられる。私と同年代くらいかと思うが、中国の天然素材開発のリーダー的な存在の方だろうと感じる。方向性と考える力、つくる力が伴っていて、私の話すことも黙って吸収できる方で、それというのは相当怖いなあと思える。良い方に出会えお話できた気がした。

また、昨日は吉林省の大学生の女性の方が近江上布に興味をもたれ、英語で話しかけてこられたので近江上布について説明したところ、中国にも同じような技法があるということ。名前も教えてもらったのでネットででも調べてみよう。その方は、布に興味をもっていろいろと織物に関してのいろいろと大学で勉強をされているということで、日本の織物の歴史がどこまで中国の織物の歴史と被っているのかという辺りも、情報交換することでたどり着ける答えが見つかるかも知れないと思う。たぶん、苧績みの技法にしても弥生時代に中国から入ってきたものであると想像しているが、どうなんだろうか。まったく関係ないが、中国に行ったら桂林の景色を一度は眺めてみたいと思っていたことを思い出した。願っていればいつか実現するもの。

昨日ブースに来られたイタリアのブランドのオーナーの方に、イタリアで一番良いリネンテキスタイルの会社はと聞いたところ3つ教えてもらえた。今日は、そのうちの一番の会社が弊社のブースに来ていただけ、近江上布に興味を示していただけた。非常に礼儀正しく、ブースに入ることなく、名刺を出して自己紹介をし中を見てよいかどうか尋ねてから、まさに、生地を見ること対する考え方が一流であることを感じる。

今日は最終日でお客様は少なめだったので近江上布を非常に気に入った中国の年配の女性の方が、1時間以上眺めておられました。デザインが好きそうな方で、本当に一生懸命に見ておられ、たぶん、柄を見ると何か心地よくなる要素があるのだろうなあと思うのです。多くのデザイナーの方が、近江上布に目を留められ、たぶん、デザイン的な刺激相当あったのではなかろうかと思います。近江上布の箱には、外に出すべからずと書いてありましたが、50年たった今、おじいさんの時代の仕事が世界中のテキスタイル関係者の方に評価いただけるのは、このまま箱から出すことなく消えてしまうよりは良かろうと思うのです。


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