for English speakers: Welcome to HayashiyoWelcome to Hayashiyo
リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

オンリーワン、差別化

2013年11月29日

今日は、レピア織機の修理、午後は縫製を行いました。縫製も私しか出来ない長さ調整が必要な部分が含まれるので、他のものに頼むことが出来ません。普段、縫製を担当している70歳を超える母親も、私の頼まれて仕方なく、この数日は4本4本のストライプ柄を手で繋ぐ作業。間違わないように確認しながら繋がないとならず、4日掛かって縦糸繋ぎを終えました。週明けに加工出しです。

レピア織機も、もともとは年配の職人さんが40年ほどみてやってもらっていたのですが、年を取られて織機の問題を直すことが出来なくなり、織るのも細い糸なので難しくなってきました。年を取るとできる仕事が少なくなっていくもので、する仕事もなくなって行きます。昔できたことが出来なくなっていくというのは個々の職人にも言えることで、それを引き継ぐものがいなければ、会社としても昔できたことが出来なくなって行きます。

林与にしても、私が経営者に徹して現場の作業をできなければ、織物を織るのもそこで終わっていただろうといえます。現場の作業ができるできないというのは、知識や経験の部分以上に気持ちの問題だろうと思います。新しい人が来ても、その仕事が上手にならないのは、それを自分の仕事だと思えないことが多く、教えてもらってやっているのが精一杯でいつまでも吸収できないのです。

私の場合は職人というよりも経営者なので、職人であって満足というのでは駄目で職人に仕事を与えできないときにはやり方を教えるのも仕事です。経営者というのは、会社全体を支えていくという気持ちがあるものですが、職人というのは会社の中で守られているので、仕事ができなくても危機感というものはないことが多いものです。これは中だけのことだけでなく、外部の協力工場の社長さんや技術の人と話していても感じます。

社長さんと話しするとできるだけのことをしようとされますが、現場の技術の人と話すると面倒そうに言われることが多いのです。仕事があるないというのは、できないできないと言って仕事をしないのか、できるできると考えて、できることは実際にやっていくのかの違いだけだろうなあと思うのです。

オンリーワンとか、差別化とか言いますが、麻のような天然繊維の世界においては、単にそれは面倒なことを乗り越えてやっていくだけのことなのかもしれないと思ったりもするのです。技術でやることは真似されてしまえばそれで終わりです。


ホーム | ショッピングカート 特定商取引法表示 | ご利用案内