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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

ハーベスト展最終日

2013年12月05日

今回のハーベスト展では、パノコさんが考えられたゴールデンラック企画。それは、各社が販売などを想定しないクラスの特別のものを展示する場所。他社さんは、カシミヤ100%、フェイクファー、人工芝みたいなシルクの織物などなど、自分のこだわりを詰め込んだ数点を展示。他社さんが凝った感じのもので攻められるなか、林与は、薄い平織りのシンプルな3点をチョイス。他社の織物と比べると、なんじゃこの力の抜き方はと思われるかもしれませんが、私が見て自分自身が麻布をつくるときに手本とすべきものづくりの3種類を倉庫から選び展示しました。

1点目は、林与がサブロクの織機で織った50年ほど昔のリネン150番手生成。ここに産地のリネンの歴史が詰まっているような気がします。着物の時代からアパレルの時代に移って、最初の頃に作ったリネンなはずなのに、私が見てもそのリネンは今でも目標にすべきくらいの仕上がり。2点目は、コットンリネン、とても上質なコットンの単糸を縦に使い、横には140番手。3点目は、綿麻(コットンラミー)シャンブレー。こういうものが市場から姿を消して存在すらも誰も知らないかと思うので、こういう機会に展示して見てもらおうと思いました。

弊社のものは別としましても、お金を掛ければやはり面白いものが出来るのだというのを感じました。フェイクファーがオーガニックコットンで出来ていたりしたのには驚きました。しっかりとしたカシミヤ100%の素材なんかも糸値だけでもすごいはず。どれも個人の消費者なら欲しそうなものじゃないのかと思うところです。純粋に良い物をつくりたいと思って材料にお金を掛けたり手間隙掛けたりなので成金というわけでもなく。

林与の数万円のリネン生地は売れてしまって、ほとんど在庫がありません。次に作ろうと思っても作るのに気合が必要すぎて、注文をいただいても出来上がるのは1年後とかになろうかと思うのです。


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