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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

アンゴラウサギ

2014年01月14日

今日は朝一番で銀行の方が新年のご挨拶に来てくださり、近況報告など。その後、東京と大阪からお客様で、2015SSに向けての企画が始まりました。1年を掛けて企画を練るというスタイルが業界の中でも珍しくなり始めている流れの中でも、やはり国内でも老舗のアパレルメーカーさんだけにしっかりとしたスタイルを保っておられます。

今日は、企画のお話の後の雑談で、ヨーロッパでアンゴラウサギの製品ボイコットの話を聞きました。毛足の長いアンゴラウサギの毛は、アパレルなどにも使われるのですが、その毛を取るときに、毛を毟り取るということが行われているそうで、その動画がインターネットでも広がりボイコットに繋がっているとか。

バリカンを使って毛を取るよりも、効率良く長い毛がとれるでしょうから、経済的にはベストな方法なのでしょうが、苦痛に悲鳴をあげるウサギの姿というのは可哀想すぎで、そこまでしてアンゴラのもので製品をつくって商売をすることがモラル的に大丈夫なのだろうかというところだろうといえます。

ウサギが可哀想という問題を超えて、自分のスタイルと他の人のスタイルとの違いのぶつかり合いなのかもしれないなあと思ったりもします。オーガニックなプロジェクトに関しても、仕事を生み出すものの農薬を使わないことで人に過酷な労働を強いる結果になります。生産現場となる途上国での残虐な行為に思われるかもしれませんが、それは違って、先進国の需要から生み出されるものなので、結局は、先進国の中でのモラル対決なのだと思います。

高校のときに、キリスト教の授業で、その先生は夏に自分の教会でのキャンプで鶏を殺して食べるという経験を子供たちに体験させることで、スーパーで買い物する文化的な生活の裏で隠されてしまっている部分を考える機会を持っているという話をしておられました。誰かが動物を殺して解体するような仕事をしないとならないのも避けられない現実です。そこに動物を苛めて喜ぶような要素が入ると別問題だろうとは思いますが、動物を殺すという残虐に思われる行為の上に、人の食生活が成り立つのも事実で、そういう部分は隠されがちでそれを知るチャンスというものは少ないものです。ものづくりの現場にしても作り手は伝えようとするものの、知ると消費される方の考え方が変わることは多いものです。


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