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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

職人のこと

2014年03月03日

京都で職人さんと話をしていて面白い話がありました。その工場には大学生が授業の一環で見学に来て染色を体験するということで、教えると本職以上に正しく丁寧に作業するので、職人が作った販売しているものよりもよいものができるということです。

これは優秀な大学の大学生だからということでもないと思います。小学生が始めてミシンで小物をつくるのにゲストティチャートして立ち会いましたが、本当にまっすぐに縫うことができるのです。大人だとまっすぐ縫うことを意識しないとできないのに、小学生がまっすぐ縫うのを意識しないでできるというのも。小学生だとまっすぐ縫うことを頭ではなく体が意識していて頭が考えることなくというところでしょうか。

でも、そういう学生さんが本職の道でやっていけるのかというと、その単純作業に無欲で向かい続ける姿勢がないと仕事としては成り立たないので、仕事以外での夢みたいなものや仕事の中での夢みたいなものが強いと目の前の仕事が自分の仕事に思えないで逃避してというケースは多いものです。

ある社長からお聞きした話ですが、ものづくりの仕事をしたいということで何度も脚を運んで社長を口説き落としOKを貰っていざ仕事を始めてもすぐに来なくなったというケース。また、繊維関連でも会社を辞めたあと独立をされる方は多いですが、その規模というものはよほど覚悟を決めて自分でお金を大きく回さない限りにおいては、商いというものは大きく続くことはないものなのです。


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