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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

気になること

2014年07月09日

東円堂の田んぼで今年は今の時期に大よそ半分ほど田んぼに稲が植えられていない。草が生えているだけ。たぶん、減反政策がなされているのだろうと思うが、高齢化が進み、米の消費が減ってきているのを感じる。日本の国に余裕があるのかというと余裕すらないのに、こんなことをしているとTPPを加速してしまう。外との戦いの前に、中での正しい努力は必要な気がする。

日本の米というものにも己惚れがあるのは、1990年代後半のコメ不足のときの国の対応。コメがなくて国民が困っているときにも、海外のコメなんて食べられたものじゃないというような定評をつくろうと愚策に走ってしまった。国民が困ったときには、農業行政のプロに任せるよりも素人に任せたほうがおいしいコメを海外から引っ張ってくることが可能だろう。国民が食べるものがないような困った状態でも、力を持つものは保身を考えてしまうものだ。それは食べるものを育む現場の農家の考え方とはまったく違う気がする。

商売なんかしていても怖いのは、やっていれば成り立っているというような安心した感覚に陥ること。成り立たなくなっているという意識が現場にないと、自助努力もなく続けていてもどうしようもない結果が膨らむだけ。仕事がないときに仕事を生み出す力がないとならないのだがそういう努力をできる人というのは少ないもので、突き詰めていけば、本業として食べていく力がないという厳しい現実なのかもしれない。布の世界でも、現場で仕事している人のほうが趣味の人よりも布に対する知識も少なく創造する意欲がないなんてのもよくある話で、そこからなんとかしていかないと仕事も増えるはずがない。

10仕事して、2から3の仕事が成り立つくらいの状態を続けていると、日の目をみない7から8の部分もほかにない底力として生きてくる。最初から仕事としてなりたちそうな2から3だけの仕事をやっているだけでそれに慣れてしまうと、やっていれば成り立っているような感覚から抜けきれず、その2から3の仕事が10の仕事に思えて、成り立つ仕事も成り立たなくなってしまうものだろう。


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