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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

画像: ヒガエ式シャトル織機

ヒガエ式シャトル織機

2009年06月28日

「林与」には、日本でも珍しい特殊なシャトル織機が動いています。服地の幅で織られたリネンのシャトル織物ということ自体めずらしいのですが、あったとしても、それはストライプ柄だったりします。シャトル織の織物の横は無地ということです。

世界的にも日本的にも、シャトルで織られるリネン織物の99%以上が横は無地だと思っています。これは、シャトル織機と呼ばれる織機のほとんどが無地しか織れないタイプで、コップチェンジと呼ばれる量産向けのタイプなのです。

今の自動車、バイク産業や造船産業の前身が戦前や戦後の織機産業であったので、日本の昔の織機というのは世界でも最高水準にあって、良い材料を使っていたので昔の何十年も使えるというだけでなく、当時の機械産業の最先端をつぎつぎと取り入れ、出来上がる織物も今のレピア織機と同じ色柄のものが織れるほどの最先端だったのです。

「林与」には、服地幅でヒガエのできる織機が10台動いています。4色をフルで実生産に結びつけることができるところは、高度な織技術と保守整備能力が要求されるため少ないです。昔は、ヒガエのできる織機も高価ながらももっと沢山あったと思うのですが、高度な織技術と保守整備の難しさ、生産性の低さから、断念され廃棄されていったと考えます。シャトル織機を維持できる職人さん自体が少なくなってしまったのですが、より高度なヒガエシャトル織機を維持できる職人さんは産地でも数人ではないでしょうか。「林与」が、シャトル織リネンでは技術的に世界的にトップクラスであることを自負できるのもそういう事情からです。

今日の画像は、現場で使っているL60番手クラスの糸帳です。


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