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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

苧麻手績糸

2010年01月19日

倉庫から手績糸を持って帰ってきました。東洋繊維の「きぬあさ」という銘柄の箱に入っており、箱に番手も書いてありそのままな感じです。確認すると昭和24年とか昭和25年という新聞に包まれていました。ゆっくりと解いていくと、全部つながっています。つなぎ目も確認できます。

林与が手織をしていたころの在庫の糸なのですが、まだ、月日がたっているだけで、新品の状態に思えます。からむしの生成の色の糸で、年月が経ってビンテージな感じです。どのようにこの60年前の手績糸を使いこなせるかが「林与」の将来の課題です。多分、使わないうちに100年物になってしまうのではないでしょうか。

今、着物の産地である宮古上布、八重山上布、小谷縮などの世界で手績糸が作られているようですが、近年のピークも過ぎたようで、日本全体で、年間に100kg~150kg程度まで落ちてしまっているようです。手績糸の伝統工芸品は、年間数十着ほどの世界になってしまっているのではないかと思われます。

各産地で、保存活動が行われているものの、細い番手のものは、一着分の糸を作るだけで1年かかるとなると、1kgが数十万円で取引されていたとしても、一人の人間が一生に40kgの世界ですから、次の世代を育てるというのは、なかなか難しい世界だろうなあと思います。


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