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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

蚊帳

2010年01月20日

今日は、リネンの薄手の蚊帳地のサンプルを織りました。今の時代の糸では高級感がでないのが残念なところです。リネンよりも、ラミーを使ったほうが高級感が出て良いかもしれません。シャトル織機で織るところが良い感じです。

職人さんのほうは、今日は、リネンデニム用の機作りをしていました。出機さんでテスト的に織りましたが、残念ながら難しすぎるということで断念されましたので、林与のシャトル織機で再度織り直しです。職人さんたちの高齢化で後がないというのは、切実な問題です。

思うのですが、ものづくりというのは、単純に、足し算で作れないところがミソです。足し算で作ったものは、進化することがないのです。地場産業というものを考えるときに、人材育成から始まる、20年、30年というスパンでの大局的な経営こそが必要なのだと思います。それを考えられる余裕があるのかという問題ですが、目先にとらわれるとやっていること自体の意味そのものがなくなるのではないでしょうか。

今日の蚊帳の件も、その産地の機屋さんが全部辞められてしまったということで、うちに話が回ってきたような次第です。一番簡単な仕事ですが、それすらも、日本で出来なってしまってきたのを感じます。

滋賀県には400年の歴史を持つ企業さんがあられますが、そこも蚊帳の織物から始まっておられます。昔、アメリカに輸出していたといわれる和を思わせる襖地などを見せていただいたことがありますが、そのすべてをやめられて、今は、自動車産業と密接なつながりを持つ形で業種を変えられ繁栄を続けられています。


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