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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

READYFORプロジェクト

2015年03月31日

READYFORのプロジェクトの目標到達が見えてまいりました。これは私ががんばった成果ではありません、皆様に助けていただいているだけのことだと思っております。うまく織機の移設を成し遂げて動かせたらと、みなさまの期待を裏切らないように全力を尽くす覚悟ではおります。

織機があれば織物が織れるというわけではなく、それをメンテしながら使いこなしていく技術がなければ、まさに大きな鉄の塊というだけのことなのです。シャトル織機は調整が難しいからといって、中途半端な問題が潜む織物をつくると仕事をすれば仕事をするだけお金がなくなるという怖さも秘めています。

でも、私はおじいさんみたいなシャトル織機がいい感じに思うのです。もちろんレピア織機も厳密な織物を短納期で量産しないとならないアパレルの世界では必要となってくる場面も多いのですが、シャトル織機の中には織物の基本がいろいろと詰まっていると思えます。人が道具を使いこなすという辺りでしょうか。オンとオフだけじゃなく、失敗して後戻りが難しい緊張感。人が織機と一体化しないと繊細な麻織物は綺麗に織れないのです。

シャトルが飛び交って織物が織れる。皿回しか、ジャグリングのような状態の継続で、織物が織りあがっていくのです。レピア織機でも糸をレピアがつかむときのタイミングなどが高速な状態で成り立って織物が織りあがっていくので同じなのかもしれませんが、北風と太陽の話でいうなら、糸にとっては、レピアは北風、シャトルは太陽のような存在だろうと思うのです。

綿と麻では、同じ織物でも糸の伸縮の差が大きく、糸切れやテンション管理の頻度がまったく異なります。意欲的な麻を織りたい綿機屋さんの相談を複数、受けたりもしていますが、麻はやはり綿とはちがうということでしょうかなり苦戦されています。

一般に麻布でも耳糸には綿糸を使うのは、綿糸はやはり柔らかく織りやすいからなのです。シルクや綿機屋さんが、他産地では、100軒を超える単位で残っておられるのにくらべ、麻織物の本場といわれる湖東産地で麻機屋が数件、風前の灯というのも、本当に他人事ではない状況です。産地で流れる麻生地のたぶん96%、97%に近い部分が他産地産生地や海外産生地であるということも踏まえると整合性の部分でも産地内の方でも自分で売っているものは大丈夫だろうかとか、ショップをやっておられる方が自分の取り扱っている生地は大丈夫だろうかとか、心配され相談をいただくこともあったりして、産地産生地が産地でも稀なだけに、扱われている方も悩みは多いのだというのを感じます。

案外、昔からの機屋というものは正直で、産地の機屋さんでも自分で織っていないものは織っていないと産地でも公言されているのです。が、流通過程や販路にのると、うたいが必要となり産地で織られたものにすり変わってしまうことが多いようで、百貨店さんやブランドさんなどは、繊維ではカシミヤや食品の産地偽装などでも大きな痛手を受けておられるだけに、どこで織っていますかというあたり一番最初に確認されるのが最初の質問だったりするのがほとんど。産地で織られていないケースがほとんどということも百貨店やブランドさんも知って緊張をもって正しく対応されているのだと思います。


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