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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

蘇州テキスタイルメーカー

2015年04月10日

今日は、蘇州の織物の企業集団を見学する。大きな工場でゆったりとしたスペースで、作業するものは黙って仕事しているので人が多いのを感じない。働いている人は織物の現場で女性が多い。たとえば、完全に分業体制で整経の現場も一台の整経機に二人が着く。これは林与の場合には緊急の急ぎの態勢の状況。

大きな工場だが織物の工場においては、どれだけ分業し一人の作業を単純化するかが鍵になるのだろう。30年ほど昔の人の多かったころの林与の工場の中の仕事と似ている。一人が一つの場所で一つの仕事をこなすのだ。中国の繊維業界においては成功を納める優良企業の代表格であろうといえる。

日本で同じことをやると成り立たせるのは難しいだろう。まず、固定資産税の高さ、人件費の高さ、からして、それを抱えるだけで10倍の費用が必要になる。同じモノづくりで出来上がったものが10倍高くなるだろう。そのときにボリュームは流れなくなり、小ロット生産での多様性が必要となってくる。

中国もGNP世界第二位となって、あと10年後には世界第一位になるという勢いで、普通のたくさん立ち並ぶ、駅からも離れていそうな場所の蘇州の高層分譲マンションの一戸が450万元(9000万円)からという規模、東京よりも高くなり始めている。日本の繊維業界と同じ道を辿る可能性もあろうといえ多様性のある提案をしなければ生き残れなくなるだろう。

日本も戦後、働く人の9割が繊維産業に関連していたといわれるほどの国だったのに、今は3%未満だろう。産業が高齢化するときに一世代を乗り越えるというのは本当に難しいといえる。中国も同じ道を辿る可能性はたぶんあるだろう。日本も韓国の繊維産業も同じような道を辿った。繊維産業というのは国の生産力という意味での国力のバロメーターでもある。国際社会において、5年10年というのは非常に早いものだ。


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