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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

ジャガード

2015年06月22日

今回、シャトル織機を入れることで、ジャガード織機が4台から2台に減る。林与のジャガード織機の何が難しいのかというと、問題は掬う形のレピアヘッドで、その出て行く横糸をカットするカッターの機構の調節が難しい。

じっくりと時間があるなら調節もそれほど苦ではないのだが、常に納期に追われているときに、カッターの調節一つがうまくできないと1日、2日の時間が無駄に流れていく。織物の仕事が織ることではなく調節の作業であったりもする。

一つの織物をつくるのに、平均2ヶ月から3ヶ月くらいの月日が流れ、それは一生のうちでも有意的な時間に相当するだろう。日本で織機メーカーが消えても機屋が残ったのはそのあたりなのだろうと思えたりする。織機というのは入れればよいというのではなく、動かなければ鉄くずで終わり、動かすたびに修理で何十万円も掛かる中古車に似ている。

あるお客様が言われていたのに、一千万円を超えるだろう機械にしてもメーカーの人が運用経験がなく、実際にその機械の運用上の問題を解決できないというお粗末な状態が日本の最先端に思えるテクノロジーの世界。会社が傾くほどに注文を受ければ機械の問題の続発というのも厳しく、仕事を受ければ受けるほど機械メーカーの問題がその機械を使う会社を苦しめる。

機械メーカーというのは優良な企業が多いのだが、問題を振りまいてしまっているケースは多い。たとえば、パソコン用のプリンタでも、うまく動かない問題を多くの方が経験されているだろうがそれで済ませるのが機械メーカーであったりする。機械自体に問題があるのが普通で、その問題解決の費用も使う側に負担させる商売になるのが優良な機械メーカー的な考え方であったりするものだ。

プリンターメーカーが本体無料で、高額なインクを販売するような機械メーカーらしからぬ商売に傾くのも日本的といえば日本的な商売。何年も使えるような正しいものを作ることよりも、騙されるカモ探しばかりしている優良?なメーカーが増えて、壊れ難いはずの国産製品が今は海外製品と同様に壊れて、その壊れるリスクも消費者が延長保証などの費用を負担してみたいな馬鹿げた話。プロが不在の今の時代。


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