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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

近江で麻織物が栄えた理由

2010年02月24日

近江で麻織が栄えた理由は、倉庫から取り出した50年以上昔の手績糸を扱ってみるとその理由がよく分かります。よく言われる麻を扱うのに湿気が必要だということです。なぜ、小分けにして新聞に包まれていたのかなど、考えるとき、今まで保管できていたことを考えると、それが非常に適切な方法であるということがよく分かります。それ以前においても、何十年も実績のある保存方法だったのだと思います。それなりに丈夫な箱に入っているものの面白いことに新聞の包みを一つ一つ結えてあるのが藁なんです。新聞紙や藁というのは、昭和25年頃にしても、メーカーの仕事としては???だったりするので、もっと昔の糸を保管のために丁寧に入れ替えた可能性もあったりですが、箱には番手がしっかりと書いていあり、それ以外には番手を示すものがありませんので、箱の通り買ったままなんではないかと思っています。

昔の糸が残っているためには同様の保管方法でそのまま保管されている必要があるのではないでしょうか。箱から出ているような新聞包みだけの状態ですとすぐに変質してしまうので…。この風格というのが昔話に出てくるような反物が宝物だったころの世界なんだと思います。手織を終えても、手放すことなく、手織り用の相当量の糸を残し続けようとした意味を考えると、糸に置いては昔の品質の近江上布が再現できる可能性があるのではないかと思っております。

あと、麻の織物が近江で栄えた理由には近江商人の活躍があります。林与の先代にしても八幡商業高校の出身で、一流の先様とのお付き合いが、ものづくりを支えていたということがいえると思います。私は、近江商人の教育は受けてはおりませんが、林与の代々以上に頑固でして、どうせやるなら本格的というのがいつものスタンスで、流行らないスタイルではあります。


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