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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

小梅格子

2016年02月15日

ミラノウニカで、林与の中で、今回の一番人気は、小梅格子の柄だった。理由は、入り口付近の壁に小梅格子の柄のワンピースを掛けてPRしたことで、多くの方が目に止まったワンピースを触って実感してブースの中のハンガーなどもみてくださった。赤っぽいのはやはりイタリアで大事な気がする。フェラーリと共通する要素が小梅格子の色使いには秘められているのがイタリア人の感性にあうだろうとチョイスして配置してみたというのは冗談ながら、イタリア、フランス、イギリスのデザイナーさんの琴線をくすぐれそうな要素が、林与の近江上布の世界にはあったりする。

イタリアの雑誌コレクチオーンにピックアップいただいたのは、赤珠の柄。私が写真で撮影しようとしても、カメラがかすり柄なのでピントを合わせることができなくって、送った写真データがピントがぼけた違和感の宇宙惑星みたいな写真だったが、そんな写真をセレクト下さり載せてくださった。雑誌をみて、そんな違和感のある写真は、林与のだけだろうから、実物がどんなかみたいということで興味を示してもらえることもあるのではないかとポジティブシンキング。

ほかのイタリアの雑誌の方が興味を示され撮影された柄というのは、日本的なもので、選ばれる方の感性というものが選ばれる柄によって伝わってくる。ひっくり返せば近江上布のどの柄が好みかで、その人の過去の印象深かったイメージというものを呼び起こさせていたり、深層心理みたいなものがわかるんじゃないかと思える。選ばれる人のデザインに対する理想というものが選ばれた柄によって感じ取れる気がする。

使っている色というのはひとつの柄に4色程度で、すべての柄に使っている色の数にしても20色から30色くらいしかないだろうけど、その限られた色の中でジャパニーズモダンを作り上げている。この20色30色というのが、ジャパニーズモダンなイメージを生み出す元素みたいなものだろう。その色味が異なったなら全体の雰囲気は変わってくる。オリジナルの近江上布とインクジェットしたストールなどの色味の違いは、雰囲気の違いを生み出し、製品として存在するときのジャンルを変えてしまう。

世界でも大手の電化製品のメーカーのデザイン部門の方からミラノウニカで弊社のブースで素材をみてメールが届く、麻素材に興味をもたれたというより色柄のデザイン性の部分なんだろうなあと思える。弊社だけに問い合わせされておられるわけではないだろうが、デザインというのは生地だけの世界にとどまらないのを感じる。最終日今回の記念に取った写真をみてそれほど多くの数のものが並んでいるわけではないけど、林与の展示案外楽しそうに見えると自己満足。


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