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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

レピア織機

2016年08月19日

夏休みインターン2日目。午前中にもろもろの出荷のあと、午後からレピア織機の基本動作の練習。基本動作とは、縦糸切れと横糸切れの対応。そのためにまずギアを一個戻すという作業が正しくできるように練習。

ギアを正しく戻すことができるようになると実際の織機を触る作業。織機を始めて触るので、一番の心配は正しく動かすよりも、怪我をすることがないかどうか。正しい作業手順を守っていると怪我をする確立は非常に低くなるが、正しい作業手順以外の動作をすると、怪我をする確立は高くなる。

正しい手順を見てもらって、それと同じ動作を繰り返してもらう。正しくついてこられない人の場合には要注意で、こういう単純な作業でも作業する人の今までの仕事経験なんかが見えてくる。うまくできるできないかはその人自身の能力というよりも、その人が今まで経験してきた環境が大きく影響する。今まで、新しい作業を覚えることに厳しい環境にいれば、初めての織物のような作業でも同じように飲み込める。

今回のレピア織機の練習は1時間で終了。1時間で基本動作をマスターできるというのは今まで教えた中では最短であるほどに早い。単に、頭で作業を理解するだけでなく、コツをつかまないといけない部分が多少時間が掛かるものである。通常、私の頭の中では一日練習すればレピア織機は基本的には動かせるようになると思う。レピア織機というのは、基本、素人でも織れるように作られているものである。

素人でも織物が織れる織機が生み出されると、それは織物の織りの現場に携わる多くの人の夢ではあっただろうが、結果、簡単に織物が量産されるようになり、織物の価値が落ちることになり、多くの人が仕事を失う結果につながった。そこで思い出すのが、近江商人の逸話のひとつ、「この山がもっと高ければよいのになあ」というあたりである。


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