リネン日記
関東や東北の雨
2017年08月17日
関西地方も、ここ数日は暑さも落ち着いてきたが、関東や東北では、雨が続き冷夏っぽいと聞き驚く。暑いのが関西だけというのは、関西と関東だけでも大きく違うのだなあと。関西圏よりも関東圏のほうが、高級アパレルの消費量は何倍も異なるので、今年は夏物は苦戦なのかも知れない。東京では、8月の雨としては、17日連続の雨らしく、雨が降っていてはお店に出かけて洋服を買おうという気分も半減だろう。
先日、地元の工場の社長さんから電話をいただいて、どこもが仕事が少ないというお話。林与の場合は人が足りていないので例外なのかもしれないけども、今まで元気に仕事されていたところも仕事が少なくなってきたようで、そうなってくると仕事が戻ってくるかどうか心配なところ。元気に仕事している状態というのは安定した先が仕事を約束してなりたっているようなところが多く、それが陰るとほかの別の人がその分の仕事をその会社にもたらせるかというと難しいケースがほとんど。それが仕事の波というもので、仕事はあるときにやっておかないと常にあるものではないからというのは、林与の場合には仕事のないときには仕事がないので仕事がほしいといわれると在庫を積む苦しみをも経験してきたのでよくわかるところ。
昔は、余力のあるところが余力をほかに回してその産業を支えてきたものだけども、繊維全体でそういう余力をもった企業がわずかに残っていたとしても、今年のアパレル不況は、そういう余力のある企業の本体すらも揺るがすほどに厳しい状況。そういうのを地元の元気な企業さんの仕事が尽きてきたという話を聞くに、一般のアパレル不況の話と整合していて地元にはやや時間差で到着するものである。そういう時間差の問題は、私が店頭が厳しいなあと思っているときに、私も含む、いわゆる川上の業界の方と話をしていても、そんなことはないと強気でおられるケースがほとんどだったりして、1年、2年後にその波が川上に到来したときには、毎年と同じように仕事をしていても成り立たなくなるような状況に陥ってしまう。冬眠ができればよいのだろうけども人を抱えた製造業というのは冬眠も難しい。
世界的にはリネンという素材は、エコの流れと温暖化の流れで、安定的に成長をしているといわれているが、リネンという素材は長持ちするだけに、一巡すると世界規模のブームでも過剰モードに入って新規の需要開拓が必要となるだろう。リネンなんかでも、過去数年は布帛よりもニットが好調になったのもそういうことなのだろうと思う。また、ニットも落ち着き始めて国内では大手がリネンニットから撤退されたという話である。旬な話というのは、その次の年にはまだ旬かもしれないけども、2年後には、飽和して時代遅れだったり、過当競争で成り立たなくなっているのが、ファッションビジネスの怖いところで、旬を生み出すような企画力や行動力が常にないと旬を満喫することは難しいだろう。
地場産業では、人的要素からしてもそういうのに対応が難しいことが多く、新しいことをしようとしても付いてこれないことがほとんど。人が変われなければ人を変えないと存続が難しいということで厳しく聞こえるかもしれないが、地場産業が花形だったときには人というのは変わってきたもので、変われなくなったでくの坊が企業を形成し外の環境変化に適応できなくなっては消えてゆくしかないだろう。残す軸は残しつつ、別腹で新しいものに挑戦をして活路を見出すしかないのである。別腹だけで生きてゆこうとすると成功してもそれこそブーム程度の短命に終わることがほとんどで、軸を残しつつ新しいことを広げてゆくのが大事であり、それが生き残る力というものだと思う。
先日、地元の工場の社長さんから電話をいただいて、どこもが仕事が少ないというお話。林与の場合は人が足りていないので例外なのかもしれないけども、今まで元気に仕事されていたところも仕事が少なくなってきたようで、そうなってくると仕事が戻ってくるかどうか心配なところ。元気に仕事している状態というのは安定した先が仕事を約束してなりたっているようなところが多く、それが陰るとほかの別の人がその分の仕事をその会社にもたらせるかというと難しいケースがほとんど。それが仕事の波というもので、仕事はあるときにやっておかないと常にあるものではないからというのは、林与の場合には仕事のないときには仕事がないので仕事がほしいといわれると在庫を積む苦しみをも経験してきたのでよくわかるところ。
昔は、余力のあるところが余力をほかに回してその産業を支えてきたものだけども、繊維全体でそういう余力をもった企業がわずかに残っていたとしても、今年のアパレル不況は、そういう余力のある企業の本体すらも揺るがすほどに厳しい状況。そういうのを地元の元気な企業さんの仕事が尽きてきたという話を聞くに、一般のアパレル不況の話と整合していて地元にはやや時間差で到着するものである。そういう時間差の問題は、私が店頭が厳しいなあと思っているときに、私も含む、いわゆる川上の業界の方と話をしていても、そんなことはないと強気でおられるケースがほとんどだったりして、1年、2年後にその波が川上に到来したときには、毎年と同じように仕事をしていても成り立たなくなるような状況に陥ってしまう。冬眠ができればよいのだろうけども人を抱えた製造業というのは冬眠も難しい。
世界的にはリネンという素材は、エコの流れと温暖化の流れで、安定的に成長をしているといわれているが、リネンという素材は長持ちするだけに、一巡すると世界規模のブームでも過剰モードに入って新規の需要開拓が必要となるだろう。リネンなんかでも、過去数年は布帛よりもニットが好調になったのもそういうことなのだろうと思う。また、ニットも落ち着き始めて国内では大手がリネンニットから撤退されたという話である。旬な話というのは、その次の年にはまだ旬かもしれないけども、2年後には、飽和して時代遅れだったり、過当競争で成り立たなくなっているのが、ファッションビジネスの怖いところで、旬を生み出すような企画力や行動力が常にないと旬を満喫することは難しいだろう。
地場産業では、人的要素からしてもそういうのに対応が難しいことが多く、新しいことをしようとしても付いてこれないことがほとんど。人が変われなければ人を変えないと存続が難しいということで厳しく聞こえるかもしれないが、地場産業が花形だったときには人というのは変わってきたもので、変われなくなったでくの坊が企業を形成し外の環境変化に適応できなくなっては消えてゆくしかないだろう。残す軸は残しつつ、別腹で新しいものに挑戦をして活路を見出すしかないのである。別腹だけで生きてゆこうとすると成功してもそれこそブーム程度の短命に終わることがほとんどで、軸を残しつつ新しいことを広げてゆくのが大事であり、それが生き残る力というものだと思う。