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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

整経機の問題

2018年01月13日

整経機が止まらなかった原因の可能性で、3つくらいの原因が考えられ、そのうちのひとつの問題ではないかと想定し、整経機に調整を掛ける。微妙なことなのだが、これが機械、問題がなかったかのように普通に止まる。

機屋さんからの相談に整経をしてくれるところがないという相談が年に何件かあるが、場所があるなら整経機を自分で入れて整経も自分でされるほうが、小回りが利いて将来性もあってよいだろうと思う。それをやられるところが少ないのが不思議なくらいだが、整経機を入れたら入れたでこのような問題があったときに、誰が解決できるのかというと、部品は手に入るかもしれないが、微調整などは自分でやらないと駄目な部分がある。

機屋にしても、織るという一番簡単な作業はできても、織機の簡単な調整ができなくて、みんなこの部分ができなくて、廃業に追い込まれるのだ。工場長をしてもらってた何十年の経験のあるおじさんでも60半ば過ぎると最後は、1分でできるレピアオープナーの位置の調整もできなくなり、私にどうやってやるのとたずねる。そういう傾向は、だれも働いている人なら、慣れて自分がやっている気持ちになった30過ぎからあるだろう。そこからは作業も落ちて行くばかりになる。

ひとつの要因なら簡単だが、2つ3つの要因が重なると調整は、3倍から10数倍難しくなる。これを乗り越えることが何十年の経験者でも難しく、織機がまともに動かない問題があると仕事も受けると危うくなる。日本では織機メーカーが消えて、だれも織機の動きを保障できるものはいなくなり、自己責任で機屋が動かしている。日本ではレピアヘッドひとつが7万、8万でバンドもいれると10万するけど、中国だと2000円から3000円でバンドも含めて新品が手に入る。

この考え方は機械だけにとどまらず、日本の繊維業界というのは人を育てたり生かそうと努力をする。海外は欧米にせよ、中国などにせよ、人も交換して対応のことが多い。日本だとそういう修理や調整ができないと働く人としては難しい問題がある。日本のレピア織機など、鉄の価格が下がって中古だと自動車と同じでマイナスの評価しかない。シャトル織機も重要な交換パーツが手に入りにくくなり、もうすぐそれに近い状態になるのではないかと思われる。

ある場所に入ったシャトル織機も動かせるようにするために、自社の入れただけでは問題が多すぎてまったく雨後かないシャトル織機と同じように、的確な調整を必要とする。ある場所から買っていれたシャトル織機は、その工場では入れて一度も動かなかったという、よく分かる話で、林与に来て経験のある職人さんにさわってもらっても動かず10cmもまともに織れない。つかんだら会社が潰れる話から始まる。

過去に10台入れた織機も9台がまともに動かないとか。そういう原因を究明する力がなければ仕事を受けていたとしたらその時点で廃業になる話。そういうのを乗り越える力がないと難しい。昔と違うのはそこで昔の人以上に今の人というのは総合的な能力を必要とされる。



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