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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

インテキ上海最終日

2018年03月19日

今日は最終日、最終日はお客様は初めの2日よりは少な目。今日は勉強になったのは、私のブースの前はデザインを販売する会社が集う場所で、イタリアやフランスのデザイン会社がデザインを売っている。ジャパンパビリオンのブースを設計をしているクリプトンの中筋さんとお話していて、デザインを売るというのはどのような形で成り立つのだろうかという疑問。

一般には、一つのデザインを買えばそれは買った人のものという概念。そのデザイナーやデザイン会社のデザインに関する著作権そのものを買って自分のものにするということ。この2日、目の前のデザイン会社の展示会の様子を眺めていて、サンプルをみせてはいるものの、そのサンプルをお客さんに渡しているような感じがしなかったので、何が本当なのかという疑問。斜め前のイタリアのデザイン会社の人が、お客さんがおられなかったので、デザイン会社の商売というのは何なのか聞いてみた。

サンプルはインクジェットプリンタで、ポリエステルの安い布にプリントアウトされていて、お客さんがそのデザインを買うとそのサンプルそのものを渡すということ。値段はその会社の場合、3000ドル。著作権が買った人に移る。世界中でそのお客さんがそのデザインの著作権を持つということになり、お客さんはその作品そのものだけでなく、そのデザイン会社の場合、その作品の一部を部分使いするような権利も有することになるそうだ。

その会社の場合、40人のデザイナーがいて、一ヶ月に1000点くらいのデザインが生まれるそうで、日本にも代理店があるそうだが、その代理店の抱えているデザインは、その代理店しかもっていないということで、買ったお客さんは世界で唯一そのデザインを有するお客さんということになる。非常にクリアな形にしてある。なるほどなあと思う。

でも、私がみていてデザインをお客さんが手にして持って返るということがほとんどないのもうなづける。見せるはするけど、お客さんは買わないというパターン。見るだけ見て買わないで、似たようなものをつくるケースが多いのではないだろうかと思う。デザイン会社が、お客さんにデザインを見せるということは危険な側面があると思える。

林与もそういうところには注意をしていて、林与のブースにくるお客さんも1割2割の方は、携帯で隠れて撮影している人がいたりして撮影は禁止であることを注意すると去ってゆく。アパレルの世界も盗むことが仕事の人も多く罪悪感すらもない。自分自身が作る場所ももたねば、アイデアというのは実現もしないもので、身軽に企画をしようとすると自分で生み出すより外からヒントを貰ってそれを真似る程度の企画しか生まれない。

私自身、ほとんど外を見て回らない、自分の中でものを作り上げてゆく、だから新しいものが生まれる。仕事のスタイルも独自で外の仕事のスタイルを真似ることはしない。仕事哲学的なものも他の人とは異なるが、それでよいと思っている。インテキ上海や海外の展示会に出展している会社ではそういう会社は少ないといえる。会社の体制を整えると体制がものづくりを制約し、できないが増えてくることが多い。


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