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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

国内と国外

2010年04月08日

日本でものを作るときに、企業努力を超えた壁というのが常にあります。それは、企業にとっては他国と比べると競争条件が何倍も不利であるということです。将棋に例えると飛車角落としの比ではないところで、常に、ものをつくるという海外との競争です。

そんな中でも競争するときに形成が有利っぽいところが地場産地なのです。その地場産地自体が、価格競争というものづくりの土俵に呑みこまれてしまっては、その作りあげた形成が崩され始めてしまっています。

今の時代、日本が電気自動車を開発していますが、中国内では、50ccバイクではなく、充電式のバイクが15000円ほどで売られていて、日本のやっている開発というのが、実際には、無意味なのではないかと思えます。その法律関係を動かすことまでがものづくりしないといけないものの責任であったりしますので、日本はもはやものづくりをするところではないというのは現実のところです。

日本の優秀な学生たちが働く場所というのが中国になる可能性は高いです。一つの工場に一貫した製造拠点があり、自分自身で開発しようとすればその力があるのです。今回の展示会で知り合った業者さんが扱っている、綿の200/2や170/2の糸などは、通常日本ではあまり流通しない糸です。ヨーロッパ向けにはボリュームで動いているということですが、日本企業がそういう特殊な糸を扱うチャンスが少ないという点は憂慮してよいかと思います。そういう糸が湯水のように流れる国と入手が困難な国とでは、インフラ的に、作れるものや技術の差が出てきてしまうのです。国外に行ったほうものづくりしやすいということでは、ものづくりの国としての日本の立場は危ういです。

シルクの糸などでも、本当に細い紡績糸が中国から出てきています。生糸を作るよりも大変な世界かとおもったりして、糸を触っていてもその感触というのは通常のクラスとは違いがあるのを感じます。中国で開発される一番上のクラスの糸というのは、リネン、綿、シルクにしてもイタリア向けが多いようです。イタリアという国では、ブランドもたくさんあり、それだけの需要があるので、高級品へのニーズも高く開発も容易ではないかと思うのです。

イタリアという国では、国家がファッション産業に莫大な投資をし続けており、新しいものを生み出すに値する高級品の世界的な需要も生み出しています。メイドインジャパンの素材がヨーロッパで注目されているのは、イタリアやフランスにファッション文化があり、それらの国の政策のおかげかも知れません。


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