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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

その場所にずっとあったもの

2018年04月19日

私自身は、時を経たものというのは価値が生まれると思う。それは概観や希少性だけでなく、そのものがそこにあった理由があるだろうから。デザイナーの女の子が古い家を住まいにしているが、戦前のものがいくつも残っている。そういうものはどこかの古道具屋で見つけてきたものではなく、そこにあったものでそこにあるから特別の価値が生まれるのである。

林与の事務所の階段のところに、壺があるのだが、その壺は価値のあるようなものでもなく、ひび割れも入っているようだが、それは林与の家の蔵にあったもので、だからこそ私がそれを残しているところに価値がある。同じく、林与の近江上布の見本切も、林与に残っているから一番価値があるのだろうと思う。そしてその世界を林与の中で再現しようとしているから、他の人がやる以上に特別の価値があるんじゃないかと思うのだ。


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