リネン日記
分業の利点
2018年10月13日
分業って特化して生産性を高め品質も高められるというのが目的なのだが、分業にすると楽をできるだけに落ちていってしまうことも多い。自分の今やっている形がすべてみたいな問題があっても問題もみえないようになってしまうとか。日本の場合には、利点よりも問題点が増えてきているように思え、分業のそれぞれが偉そうにするばかりで問題が起こっても無責任で、まともなものをつくるボトルネックになってしまう。それぞれが責任をもって正しい結果を出せていればよいけども、正しい結果もでずに仕事したと、途上国の仕事よりも質が落ちてしまっては日本国内でものづくりしたものでも売り場にならべることも難しい。
昔、細番手の糸の問題で糸商の社長と口論をしたことがあって、織れるか織れないか分からない細い糸を林与自身が自分で手に入れようとしたときに、その糸商の社長が自分を通して買って欲しいといわれるが、まずは、糸商なら自分が手に入れてこんな糸がありますから試しに使ってみませんかが普通だと思うが、私の話に便乗するだけで後の糸の問題は自分は関係ないでは駄目なのである。一か八かの掛けに、外野は必要ないのであって、織れなければ私が何百万か損をする話。注文が入っても糸が手に入らなければ私が困る話なのであって、リスクもできない糸商さんが、リスクする人間に口出しをする話ではない。何十年の付き合いではあったが、その件は自分で海外から糸を仕入れ解決して、リネン100番手以上の細番手織物の量産の道を切り開いた。別に喧嘩するつもりもないけども、ハズレの糸をつかんでリスクを背負う覚悟がない状態で任せてくれと頼まれても困る話なのである。糸商さんでもどこでもハズレの糸を掴んで苦しむことはあるが、それはそれで使えない糸に正しいお金を払う気の毒な話だが、それが糸のプロとしての糸商さんの仕事の一つでもある。
私も、織れない糸が当たっても返品しないで使える工夫を最大限に考え織物のプロはプロで問題解決に真剣である。今まで林与が糸商さんに糸を返品したことは20年ですべての糸商さん含め3回だけの話。糸商自身がどうしても使えない糸の存在をしっていても、売ったときに機屋の問題に摩り替えてしまうことも多い。織れないだけでなく、物性的に問題のある糸などもつかまされて糸商が悩むこともあるけども、それを黙って売ってしまって問題が起こったらそれは糸商の問題で対応はちゃんとするべき問題なのである。そう保証があって糸の価値は高まるのであり、無保証な糸は危険極まりない。糸を使う機屋は、糸商さん以上に、糸を見る目がないと糸を扱うことが難しい。問題が起きたときに、それが糸の問題なのか、染の問題なのか、加工の問題なのか、みんなが逃げる話を解決していかないといけないことが多い。
今も生成の糸の色むらの問題の解決。リネンの生成の織物というのは定番の一つだが、何十年も昔のようには行かない。よく昔、海外生地を後染めするといろんな問題がでてくるとか言われたが、原材料の均一性の問題などが糸の中に爆弾として存在していて、銘柄による品質の違いや同じ銘柄の糸でもフラックスの作柄やロットによる良悪の差が、織物になったときに出てくる可能性がある。糸商さんでもそういう問題を解決する方法はなく、生成を諦めて、生成っぽい色に染めて使うとか。
生成というのはアクが出たりするもので、それが色が薄くなる原因の一つで、洗うまでは色むらが見えないことがあったりする。織っているときにはまったく見えないが、洗いを掛けると色の差が出てきたりと爆弾が仕込まれているのだ。うまくつかう別の方法は、ランダムに横糸で使う方法とか、問題が軽減されるが極端な色むらはやはり段となって表れる。リネンの生成りは、同ロットの中はもちろん、紡績の錘が同じでも糸の番手が揺らぐこともあるのが普通で、連続して使うよりも散らして使うほうが問題は少ない。
本来は織物で改善するよりも縫製で改善するほうが、均一でよい織物が出来上がる。こういう色むらの問題は、一本の横糸で織っていったときに突如として1cmの帯とか、5cmの帯とかの問題として表れるが、そこを使わないで、縫製するだけで良い製品となって仕上がる。全体の原料の品質を最高にした糸が逆に一番問題が起こりやすいのもそこである。綺麗な糸にときおり問題が起こり反物としては失格とか。反物の良いところを数メートル使うなら最高の生地である。結局は、全体の品質を落として安全な当たりに落ち着かせる手法が取られる。当たりハズレを無くすために、いろんな地域の原料を混ぜて安定させ使うのである。紡績の時期ごとの色の差なども軽減される。
日本の量産の縫製技術よりも海外の量産の縫製技術のほうが上だったりもする。海外では、プリント物などは、色の安定性が反ごとに揺らぐので、サンプル縫製と同じように、延反した反物を上から一度に裁断するが、同じレイヤーのパーツには番号シールを貼って、サンプル縫製と同じような品質で、色のばらつきの問題などを極力抑える方法が取られる。そんなに難しいことではないが日本でこれをやる縫製工場はあまり聞いたことがない。途上国の量産のほうが日本の縫製よりも最後の仕上がりの問題を気にしているのは、素材の品質が安定しないのを受け止めて対応しているからだろう。中国や韓国の縫製も、反物をすべて検反してからアパレルの自社基準にあうように小さな問題も避けて裁断をおこなうとか、人の力がすごいなあと思う。
織物工場でも、何百人の織物工がいて、莫大な量の生地が織られるが、もちろん問題もあるけども、それを検反、修理する人が何十人もいて、織りのキズなどが無くなる。正しく織れない人は織物工としては働けなくなる。日本の場合、織るものが正しい織物を織ることが想定されていて、正しく織れなかったときに、自分が生地を修理するなんて想定の織りの人はいないだろうキズを織ったら織ったでほったらかしで、麻織物の場合には、それでは普通はB反が当たり前。今の日本では自分で織ったキズを直せる人でないと織物を織ることも難しい。キズをつくるスピードに修理が追いつくのは難しいから、自分が常にキズをなく織れないと仕事を受けても回らない。
昔、細番手の糸の問題で糸商の社長と口論をしたことがあって、織れるか織れないか分からない細い糸を林与自身が自分で手に入れようとしたときに、その糸商の社長が自分を通して買って欲しいといわれるが、まずは、糸商なら自分が手に入れてこんな糸がありますから試しに使ってみませんかが普通だと思うが、私の話に便乗するだけで後の糸の問題は自分は関係ないでは駄目なのである。一か八かの掛けに、外野は必要ないのであって、織れなければ私が何百万か損をする話。注文が入っても糸が手に入らなければ私が困る話なのであって、リスクもできない糸商さんが、リスクする人間に口出しをする話ではない。何十年の付き合いではあったが、その件は自分で海外から糸を仕入れ解決して、リネン100番手以上の細番手織物の量産の道を切り開いた。別に喧嘩するつもりもないけども、ハズレの糸をつかんでリスクを背負う覚悟がない状態で任せてくれと頼まれても困る話なのである。糸商さんでもどこでもハズレの糸を掴んで苦しむことはあるが、それはそれで使えない糸に正しいお金を払う気の毒な話だが、それが糸のプロとしての糸商さんの仕事の一つでもある。
私も、織れない糸が当たっても返品しないで使える工夫を最大限に考え織物のプロはプロで問題解決に真剣である。今まで林与が糸商さんに糸を返品したことは20年ですべての糸商さん含め3回だけの話。糸商自身がどうしても使えない糸の存在をしっていても、売ったときに機屋の問題に摩り替えてしまうことも多い。織れないだけでなく、物性的に問題のある糸などもつかまされて糸商が悩むこともあるけども、それを黙って売ってしまって問題が起こったらそれは糸商の問題で対応はちゃんとするべき問題なのである。そう保証があって糸の価値は高まるのであり、無保証な糸は危険極まりない。糸を使う機屋は、糸商さん以上に、糸を見る目がないと糸を扱うことが難しい。問題が起きたときに、それが糸の問題なのか、染の問題なのか、加工の問題なのか、みんなが逃げる話を解決していかないといけないことが多い。
今も生成の糸の色むらの問題の解決。リネンの生成の織物というのは定番の一つだが、何十年も昔のようには行かない。よく昔、海外生地を後染めするといろんな問題がでてくるとか言われたが、原材料の均一性の問題などが糸の中に爆弾として存在していて、銘柄による品質の違いや同じ銘柄の糸でもフラックスの作柄やロットによる良悪の差が、織物になったときに出てくる可能性がある。糸商さんでもそういう問題を解決する方法はなく、生成を諦めて、生成っぽい色に染めて使うとか。
生成というのはアクが出たりするもので、それが色が薄くなる原因の一つで、洗うまでは色むらが見えないことがあったりする。織っているときにはまったく見えないが、洗いを掛けると色の差が出てきたりと爆弾が仕込まれているのだ。うまくつかう別の方法は、ランダムに横糸で使う方法とか、問題が軽減されるが極端な色むらはやはり段となって表れる。リネンの生成りは、同ロットの中はもちろん、紡績の錘が同じでも糸の番手が揺らぐこともあるのが普通で、連続して使うよりも散らして使うほうが問題は少ない。
本来は織物で改善するよりも縫製で改善するほうが、均一でよい織物が出来上がる。こういう色むらの問題は、一本の横糸で織っていったときに突如として1cmの帯とか、5cmの帯とかの問題として表れるが、そこを使わないで、縫製するだけで良い製品となって仕上がる。全体の原料の品質を最高にした糸が逆に一番問題が起こりやすいのもそこである。綺麗な糸にときおり問題が起こり反物としては失格とか。反物の良いところを数メートル使うなら最高の生地である。結局は、全体の品質を落として安全な当たりに落ち着かせる手法が取られる。当たりハズレを無くすために、いろんな地域の原料を混ぜて安定させ使うのである。紡績の時期ごとの色の差なども軽減される。
日本の量産の縫製技術よりも海外の量産の縫製技術のほうが上だったりもする。海外では、プリント物などは、色の安定性が反ごとに揺らぐので、サンプル縫製と同じように、延反した反物を上から一度に裁断するが、同じレイヤーのパーツには番号シールを貼って、サンプル縫製と同じような品質で、色のばらつきの問題などを極力抑える方法が取られる。そんなに難しいことではないが日本でこれをやる縫製工場はあまり聞いたことがない。途上国の量産のほうが日本の縫製よりも最後の仕上がりの問題を気にしているのは、素材の品質が安定しないのを受け止めて対応しているからだろう。中国や韓国の縫製も、反物をすべて検反してからアパレルの自社基準にあうように小さな問題も避けて裁断をおこなうとか、人の力がすごいなあと思う。
織物工場でも、何百人の織物工がいて、莫大な量の生地が織られるが、もちろん問題もあるけども、それを検反、修理する人が何十人もいて、織りのキズなどが無くなる。正しく織れない人は織物工としては働けなくなる。日本の場合、織るものが正しい織物を織ることが想定されていて、正しく織れなかったときに、自分が生地を修理するなんて想定の織りの人はいないだろうキズを織ったら織ったでほったらかしで、麻織物の場合には、それでは普通はB反が当たり前。今の日本では自分で織ったキズを直せる人でないと織物を織ることも難しい。キズをつくるスピードに修理が追いつくのは難しいから、自分が常にキズをなく織れないと仕事を受けても回らない。