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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

化学肥料も制限付で使えるオーガニック基準

2019年04月15日

オーガニック=有機栽培というイメージではあるが、国ごとにオーガニック基準は異なり、インドでは化学肥料の使用も制限付ではあるが禁止されてはいない。http://apeda.gov.in/apedawebsite/organic/organic_contents/national_programme_for_organic_production.htm

日本のオーガニックの世界にはこういう情報は閉ざされてしまっている部分もあって、オーガニック製品といえば化学肥料(無機質肥料)は、3年不使用の原料が使われているみたいなイメージだけが一人歩きする。インドの国のオーガニックの基準からすれば制限はあるがいろんな化学肥料の使用は許されてるのである。こういう情報は販売するものが気をつけて消費者に説明しないと日本の消費者が誤解を招く説明になってしまう。

インド原料を使用したオーガニックコットンなどは、畑のコンディションが有機肥料だけでは栽培にふさわしい状態にできなければ、多くの種類の市販の化学肥料の使用が自然なバランス状態に戻すためには許されているのである。日本人の有機栽培を信じる消費者が知ったら驚くべきことの一つであるが、普通はそういうの日本の消費者は知らないことだろうと思う。

このあたり日本のオーガニックの専門家たちももちろん知っていることだから、日本の消費者には各国ごとのオーガニック基準にしたがって栽培された作物というオーガニックのきれいなイメージだけでなく、最大のオーガニックコットンの供給国でもあるインドのオーガニック基準が、3年間化学肥料を使用せずなんて表現に当てはまらないあたりも事実として伝えるべきであろう。

最大のオーガニックコットンの栽培国であるインドに、そういう真実があるとしたら日本の消費者に真実を伝えるのも、オーガニックのプロの役目であったりするとは思う。きれいごとばかりで、3年間化学肥料は使わずとかは、化学肥料が使われているならアウトな表現の一つであったりもする。農場によっては、化学肥料を一切使わない農場もあるかもしれないが、インドの国のオーガニックの栽培基準自体は有機肥料で足りないときは制限付で化学肥料の多くの種類も使える基準なのである。だから、オーガニック?コットンがたくさん作りやすい背景もあるのである。

日本人の消費者は、真面目というか厳密なオーガニックを求め、オーガニックとラベルがついていたら日本人的感覚で日本での謳いを信じてしまうが、海外で作られるオーガニック作物が日本で謳われるような3年間化学肥料無使用なんて基準ではないというのも普通にある。そういう作物を使った製品を認証したり日本で販売するオーガニックの業者であるプロが、そういう事実があることも日本の消費者に伝えるべきであろうが、なかなかそういう情報は伝わり難い。

合成繊維が5%、10%入っていてもオーガニックと呼ぶような基準からすると、途中の化学肥料の使用くらいはどうでもよいにも思えるが、消費者がオーガニックであることを本当に信じて買っているのを忘れないことは大事だと思う。インドという国ではそれでよいのかもしれないが、インドのオーガニック作物が日本で製品としてオーガニックとして販売されるときには、真実を伝え、日本の消費者の誤解を生まないような真実に基づいた説明が必要だと思う。日本の消費者に対して、各国のオーガニック基準にしたがってという表現だけでは不十分。裏で有機栽培で難しいときには普通の市販されている化学肥料が使われて栽培されても、オーガニックコットンの最大の生産国であるインドでは、オーガニックの基準の範囲ということも知って日本の消費者には買ってもらうべきだろう。

林与の集落でかるがも農園を子供会でやってるけど、それを支えている農家の人は正直に化学肥料使わないと普通にもち米なんて実らないと正直に話する。似ている話なのである。インドの人にしても普通にオーガニックを目指しても限界にぶつかるもので、有機肥料だけでは無理が普通なんだろう。集落の農家の方もカルガモだけでやってるんであまりまともなもち米が取れないので、その農家が自分のもち米を持ち出して、みんなが餅つきするのを支えておられる。仕事で食べていかないといけないとするとオーガニック基準を下げ化学肥料で補うしか成り立つ方法はないのだろう。真実は真実として、伝えれば誰も悪くも思わない、真実も伝えられないままきれいごとだけ並べられたら騙されたようなほうが問題だろう。そういうズレは、日本国内の絶対的みたいなオーガニックの謳いを崩して正直に化学肥料もときには使うという説明で良いと思う。

オーガニックコットンを愛用している人にしてもそういう部分は知らないまま、3年間化学肥料を使用しないという言葉だけ信じているのが普通だと思う。日本への最大の供給国のインドのオーガニック基準を読んだりするとどの程度の基準なのかも見えてくるが、その辺りを日本の消費者にちゃんと日本語で説明しないのもオーガニックの基準に関する幻想が生まれる一つなので、基準的な謳いに縛られすぎずに正直にラベルなどで説明を加えるべきだろう。それが日本で言うところのオーガニックの定義から外れたとしても正直な説明に勝るものはない。

普通オーガニック栽培すれば、品質はまばらで落ちるのが普通なのである。オーガニックリネンやオーガニックラミーででよくわかっているから。化学肥料で補えば普通のリネンやラミーの品質に持って行きやすいだろうけど、普通の糸と比べると値段は高くても、まともに織れないことが普通なのでオーガニックな麻の世界は正直に作っているんだろうなあと感じる。問題が多いと使うのも大変だし売るのも大変だろうけど。


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