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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

シャトル織機のフィーラー電球

2019年12月07日

シャトル織機の感光フィーラーの電気の球は、6Vのタイプで廃盤になってしまったようでこれまた頭を抱える話。シャトルも調子よく動いていても動かしている時間が長いので、はさみどころが悪ければ、1か月に1本くらいは壊れてしまう。シャトル織機の管も、今量産の時期になって300本では足りない感じで、昔の管を使えるちょっと大きなシャトルを在庫品で見つけて、若干の加工をほどこして、林与の織機で使えるようにしている。

織機を維持してゆくときに、純正の部品なんかを期待してもないことがほとんど、似たようなものを代用するか、汎用品を使えるように加工するしかないのである。このあたりが、結構私が得意なところで、シャトル織機の皮のバッファが壊れてしまったのを、別の素材を活用して作ってみた。この4か月ほど問題なく動いている。スタッフの女の子がそれをつくるのに半日くらい掛かっているので安く上がったということではないけども、なくなって仕事ができなくなる心配がそれで一つ消える。

シャトル織機にしても日本のメーカーも海外のシャトル織機をまねて作ったあたりから始まっているけども、独自に材料などが進化したこともあり日本のシャトル織機は長寿命である。林与のシャトル織機は個別のモーター式だけど、モーターが貴重であった100年前のベルト式のシャトル織機の工場でも現役で動いているところがあったりと、単に織機があるというよりも、仕事が続いているからその設備も技術も残っているのだろうと思える。着物の世界から洋装の世界に代わって、小幅で織られている工場さんというのは相当な苦労をされてきたと思うが、今、逆に小幅で織る織物が注目されている。織りあがった生地というよりもその作り方に価値を感じて買われる方が増えていると思う。

林与のレピア織機も動かせる状態であるのだけども、レピアの仕事よりもシャトル織機の仕事のほうが忙しい。織るスピードも遅いし、4色使える管を交換する杼替えタイプなので、交換作業も、管に糸をまいたり、糸を掃除したりも忙しい要因になる。時代の流れは非効率なことはやめる方向なのだろうけども、非効率なことを人がやっている姿こそが繊維や織物の文化そのものだったりもする。先進国よりも途上国の織物のほうが繊細だったり、人のデザイン性詰め込まれていたり、特色を持っていたりと、途上国のほうが文化が豊かだと思える部分である。人が生きる力を自分の中に途上国の人は持っているのである。


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