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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

たいしたことでもないが

2020年05月23日

仕事のことなら時間を使うことが多いが、自分の事となると後回しになることがほとんど。例えば、どこかに旅行するとかはほとんど無理な話。自由な時間があるならできていないことをやったり、寝る時間に充てたいとか。成り立たせないとすると簡単だけども、成り立たせようとすると難しいことは多い。

たとえば、仕事のお客さんというのは打診してくるけども自分は何の約束もない状態でのこちらに約束を求めるような状態。そいう人の話は流れる話が8割以上、そのために自分だけでなく自分の関係する業者さんに同じような打診を、流れるかもしれない話だけどもという前提で打診して、どのくらいの納期になる仕事なのかまた入ったときにやってもらえる状況なのかの打診。糸商さんに糸の打診をするのもそんな感じで、糸商さんからしても糸を押さえないといけないので、単なる漠然とした話で私が糸商さんに糸の確保を頼むと、糸商さん自身が本来自由に動かせるものを他の人のために確保するという状態になる。今は、結局はアパレルさんでも受注が入っただけの受注生産を考えておられるので、本当のお客様は最終消費者の方だったりする。企画していても企画した人がその企画で大きなリスクを背負うことがないあたりが一番企画が弱いところで生産計画には結びつけにくい。手持ちであるもので検討して注文がはいったなら生産するような対応が相手と同じような対応なのかなあと。

私自身は自分で仕事している立場なんでそういうのよくわかるが、たくさんの仕事を流している人ほど打診から本決まりまでの期間が長く、また、確定的でない要素が多い。仕事にしても、サンプルと本生産の両方のキャパを、最初に話があった時点で考えないといけないのだが、それが仕事を発注するお客さん側にないことも多く、本生産の話で進めていて、やはり見本が見たいとかなら、最初から断っておかないといけない話だったという判断も多い。企画として具体性がない話というのは、こんなことがやってみたいなあというだけの状態だろうと思う。私もそういうレベルの状態の企画というかとっかかりで留まる話は常にいくつも持っているが実際にものにしてそのものがどのくらい売れるのかは未知数だし、自分がどのくらい在庫を抱えられるのかが現実的な企画を進める前提となる。企画するときに自分がそれを実行する余力を持たないと他力本願的な企画になって、多くを巻き込んでかき回すだけのことになる。

自分が一つ一つの本腰を入れてやっておられる方なら良いけど、横に広げられていろんな企画を動かして、その一つ一つの面倒を外に投げておられる方とやるとその人が身軽な分、こちらが用意周到に準備する必要が出てくる。地元でテキスタイル企画をされている方がおられてその方は生地設計までやってその通り生機をつくればよいだけまでもってこられ、糸を用意し、生機を加工される。織られない部分以外は林与の仕事と被るところが多く、同じ苦労があるだろうなあと思う。その方も自分で営業というよりも他の問屋的な方の仕事を受けられている感じ。そういうのができる人というのは非常に柔軟で能力が高くないと難しいだろうと思う。最後、傷を治したりも自分でやっておられるし問題を騒ぐタイプではなく、自分で解決してゆく力を持っておられる。繊維業界にはそういう人の存在が大事で、そういう人がいなければ企画してやればやるほど問題だらけとなってゆく。生地の営業の人とかでも、お客さんとの待ち時間に生地のキズの一つでも直す努力もすれば、生地に対しても違う目で営業ができ、問題も解決するのだろうけどそういうのできる人は珍しい。他にも、営業の人が生地の問題を指摘するときの検査機関の検査とかも、自分が簡易検査くらいすれば生地のこともよくわかり企画もうまくできるようになるだろうけど、なかなか深く理解しようとはしないから企画そのものが問題が見えない浅いところから始まるとか。

林与の時間を使うのも企画とか織る部分ではなく、その企画全体にわたる問題を実際の作業で解決する部分が多い。私が思うのがそれができるのとできないのとでは力の差というのは、プラスとマイナスくらいの差。そういうのをできる人が繊維の業界に増えていかないとダメなんだけども、日本の繊維業界の経験者でもそれをできる人というのはほとんどいない。繊維人口はまだまだ多くても問題の片付け的なことを実際に作業で解決してゆける能力のある人がいないのである。日本人は器用だといわれていたけどもそれは戦前の人の話でもう手はそれほど器用ではなくなってるなあと思うことは多い。そういう人が一人二人いるだけで、ほか繊維業界の人が騒ぐだけで投げ出している多くの問題が解決する。

クチで生きているタイプの人達というのは仕事が面倒なのだが、そういう人たちが多いと簡単な仕事でも駆け引きが多く仕事をするのが難しくなる。考えてばかりじゃなくいろいろと体動かして作業すればぜんぜん問題でもないのに、考えて自分が動かないほうにもっていこうとするから成り立たないだけのことは多い。生地の話なんかでも、たとえば、30種類くらいのいろんな生地が目の前にあっても、どれか一つ使ってつくりたい製品のサンプルくらいができないと、今、目の前にない理想の生地を作るとかの話は本当に難しい相手さんだったりする。生地の問題ではなくて、その方の商品開発の手法の問題があって、それを解決するのを生地にじゃなく織物の会社に求めれているんだなあと思う。


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