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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

チーズワインダー

2020年07月11日

今日は、二人してチーズワインダーでの作業。朝から夕方まで。昔の仕事スタイルなら、一人の人間がチーズワインダーの仕事を一生するみたいな話も多い。でも、今日やったような特殊に糸を分割したりする作業は、一生やってるひとにも頼めないようなややこしさのある作業。

呑み込みの早い人だと私のいうことを聞いてすぐに実行してくれるが、素直さがないとなかなかこういう作業もできないことが多い。仕事というのは経験の長さが逆に仕事をできなくすることも多いものだなあと思うことも多い。

私も最初働き始めた時から、普通の何十年の人よりも仕事の意味が分かっていたところから始まったのを感じる。なぜ、簡単なことも難しそうにいうのかとか、やれることもやろうとしないのかとか、疑問も多かったが、それを言うと余計に抵抗される。経験の長いものに新しいことを提案しても受け入れられることはほとんどない、従来のやり方がすべてで変われないのである。

一般的に職人の仕事というのは、慣れで考えずに仕事をしているような状態なので、たとえば糸を繋ぐにしても途中間違いがあると間違ったまま最後まで繋いでしまって、最後に間違ったのが分かって、間違ったところからやり直すというのが普通の仕事ぶり。一つの作業でも、一回で成功する確率のほうが低く、2か所、3か所間違っているのが普通で、2回、3回のやり直しか、間違ったところを細工して応急処置で作業というのがありがちな、昔ながらの現場。大きな仕事が流れているときにはそれでもよかっただろうけど、新しいことを一回で確実に答え出さないといけない今の時代ではまったく通用しない。

林与でも昔の現場では織キズを縫って直すような人は一人もいなかったが、今の現場では織キズを縫って直すも普通の作業。織ってる人が糸が悪いとかいってたのが幸せな時代で、その当時の糸でも今の糸から比べると糸切れも少ないし問題も少ない。今はその問題も現場が吸収して織物にしていかないとならない。織物を織るよりも手間の掛かる縫うような作業も普通にできないと駄目だったり、織物の仕事も面倒くさがりのおっちゃんおばちゃんでは太刀打ちができない仕事になってしまったなあと思う。


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