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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

糸量の計算

2021年08月19日

今日は次の織物に取り掛かるため、残った糸を固めてそれを使いきれるように分割する作業をしようとするも、スタッフがその意味が理解しにくいようで、大まかに説明するも、私がしようとすることを細かく説明しないと理解してもらうのは無理かなあと思い。そのために必要となってくる、糸量の計算を説明する。

私自身が作業をしているときには、自分で仕事を組み立てて前に進めていくために、かなりの計算を行っているが、一般的に織物工場の現場の人というのは与えられた作業をするだけの感じがほとんど。自分の使っている糸が何番手くらいかはしっていても、どれだけ在庫があってどれだけ使うのかとか、足りないとすれば何キロ足りないとか計算できる人は少ない。

今は、必要な糸を必要なだけ染めて作業をすることが多いので、厳密な糸量計算ができないと作業を前に進めていくことが出来ない。それほど難しくはない計算なのだが、今まで多くの現場の方と接してきてそういうのを当たり前にできる人というのは少ない。できたからといって大したこともない基本のことなのだけども、そういう自分が作業を理解して準備して進めていくための基本のことも分からないままに与えられた仕事をしているのがほとんど。理解できていないと失敗も増えるし、一回一回細かな説明が必要となってくる。

私自身は仕事に就いた最初から教えてもらわなくても糸量の計算とかも自分でネットとかで探して仕事に活用をしているがなかなかそういう人は少なく、教えてもらっても、また次も教えるの繰り返しで、できないままが続いてしまうもの。今回のスタッフには覚悟決めてもらって糸量の計算ができるようになってもらおうと、半日使って、糸量の計算の基本を教え、それを使って整経のための糸を分割するための計算方法を覚えてもらう。

自分で糸量計算の基本をマスターして、自分で自分の作業の準備ができるようになると、
他の人に助けてもらわなくても仕事を前に進めることができるようになり、仕事もあたえられた作業をするのではなく、自分自身が分かって作業を前に進めていけるようになる。一般的に、地場産業での現場の人というのは、与えられた作業をこなしているだけのケースが多く、自分で組み立てて作業をしていける人というのは少ない。

スタッフもまだ半年なので分からないことが多いままに目の前の作業をこなしてくれているんだろうとは思うので、作業には慣れただろうし、そろそろすべて意味が見えて作業してもらうようになってもらおうと糸量の計算という基本から。午後からは作業したけども、帰り掛けに計算を教えたノートを持って帰って復習してくるようで明日朝に簡単な問題を出してみよう。学生だと当たり前に吸収できることでも社会人だと吸収できなくなることも多いのが今の日本の仕事で、繊維業界の衰退とも絡んでいると思う。


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