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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

前に進めていく力

2021年09月07日

織物を作るときに何が大事なのかと思うが、前に物事を進めていく力だろうと思う。そういうのはやっているうちに徐々に身についていくものじゃなくって、毎回やるかやらないかだけのことだろうと思う。

頭で動いている人というのはどうしても頭で考えがちなので実際の経験が少なくなって正しい答えを見つけ出す方法も持っていないので、協力者がいないと答えにたどり着けないのが普通。実際に織機なんかをいろいろと工夫してみてこれなら織れるとかこれなら駄目とか、試行錯誤の積み重ねするというのが、答えを出す本質だということに気が付かない人が多い。

いくら頭で考えていても何一つ前に進まないのが頭で考えているだけのこと。頭で考えたり、実際に理解して理解したことを前に進めて形にしてゆくことが大事なのだけども、なかなかそういうあたり、前に進めていく力というのは、体を動かさないといけないのでおっくうなものである。

今日は、糸量の計算をしたけども、使う糸量の計算までは良かったが、染屋さんに糸を持って行って、大きな問題に遭遇。糸の一箱の重さがおかしすぎるのである。ひと箱あたり箱に書いてある実質の重さよりもまだ一箱が500gほど軽いので、そして、伝票の糸の重さも箱に書いてある実質の重さの5%増しで、その箱に書いてある実質の重さの5割増しで量で計算して買っているので、実際の糸の重さは1割ほど少ないことになる。

よく言われるのは公定水分量が12%だから、紡績したときの水分が抜けて5%軽くなっているとかだけども、今は、簡単な機械で、正確に糸の長さも重さも計ることができるので、理論ではなく、なにが正しいのかはすぐに求めることが出来る。

結局、糸が届いた時点で使う前に、1割ほどズレが出てしまうので、箱に書いてある重さを信じて投入が難しいことになる。染屋さんで糸の投入の話になると、どこどこの糸は実際よりかなり少ないとかいう話をよく聞くが、噂では終わらずにその分もコストとして1割ほど多めに見ておかないといけないことになる。結論として、糸の総長が1割短い可能性も高く、失敗しないためには、1割ほど余分に買って投入しないといけないのである。

糸を染に出すにも不確かな要素が多すぎてそれを理解して投入量を決めないといけない。1kgと書いてあったら1kgじゃなくて、実質は900gかもしれない。そういうのが今の繊維の世界では当たり前も多くなりすぎて、仕事の計算一つが難しくなる。日本の基準からするとはかり方も知らないのかとびっくりのことも多いが、この程度が今の一般的に厳しいとされる海外のものづくりの国際基準レベルなのである。SDGsなんかも同じで、日本の昔のものを大事にする精神のほうが今の国際レベルのSDGsよりも何倍もサステイナブル。

日本の場合、自分でものづくりをしなくなった国際的な日本の大企業は別にしても、実際にものづくりをして人も支えている中小零細企業レベルでは、国際的なSDGs基準に従うと、環境保護や持続性のレベルがどんどん低くなると思う。実際に何が本当なのかも分かっていない人たちが物事を進め認定が今の国際基準。日本が昔やってたタバコや酒で国民から税収を得て、国民の健康と精神の健全性も度外視で自分たちが金をとることに必死な日本の行政レベルと似たようなことがSDGsの現実的な目的じゃないのかと思えたりもする。

地球温暖化や北極の氷が解ける問題で、気温上昇に注目をしているけども、もっと大きな問題は海水面での水温の上昇。たぶん過去100年で2度以上の上昇をしていると思う。地球温暖化ガスの問題で、一番は二酸化炭素じゃなく水蒸気、原発での水温上昇は日本海側だけをみても、南アジアのクラゲが原発の取水口に詰まるほどの危険な状況。海水表面の温度を他の地域よりも1度2度も上げてしまう原発排水の問題は、議論すらもされない。原発推進の都合があってCO2の問題だけがとりだたされている。原発が海水温をあげてしまって、1番の地球温暖化ガスである水蒸気を空気中に放出してしまう問題はなぜ議論すらもされないのか?

人々の都合で地球環境を議論すると全く良からぬ方向に、代替フロンの問題でも、最初に大量に代替したエアコンや冷蔵庫のフロンがオゾン層を破壊するフロンで、それが代替後、何十年も地球環境を破壊していたりする話。クリーンディーゼルもそうだが、国際レベルが地球環境を守る謳いが、買い替えでより地球環境を破壊し、逆に大規模な地球環境を10年、20年破壊しつづけるままの元凶になってしまっているお粗末な話が本当に多い。中抜きや金儲け主義のSDGsでは駄目だろう。


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