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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

階級社会や奴隷制度

2021年12月11日

エシカルなことを食い物にしてしまう繊維業界、そういうのが繊維業界の一番アカンところ。今もエシカルを謳いながら自分が損を覚悟なくやってる連中が多い繊維業界、エシカルなことやるときに損はつきもので、普段の商売でその損を埋めるのが普通だろうと思う。私もオーガニックリネンをやったときには、糸2トンちょっとで田舎だと新築の家が買えるくらいの金額を払ってやった、オーガニックなんてほんとうに見えない世界で、普通の糸を化かすことなんて世界認証でも簡単なことだけど、結局は誰から買うかが大事で本物なのかというのが結論。世界的な認証があっても世界的な認証機関がBTコットンかどうかが判別できないで、判別できないから偽物ではないというような表明では認証機関そのものが消費者騙しの担いでしまっている可能性も高かったりする。オーガニックの種の入手に関してはもはや努力目標程度なので、BTコットンの可能性も高くなってしまっているが実情だろう。インドでの偽装問題なども発覚して生産が制限されているということもあるが、そういう現地での大規模な偽装問題の情報は日本国内にはあまり入ってこない。

オーガニックリネンは高くて難しいといわれるけども、それでもやっているところに意味があると思っている。そこは無理してでも続けて他でなんとか成り立たせる。たとえば、オーガニックをやろうという人でも10万、100万円を現金で覚悟して払える人が日本にどれほどいるのかの問題で、何種類かあわせると常に数トンくらいの糸を持つことで支えている。数トンのオーガニックリネンを使用するというのは世界規模でもなん十パーセントのオーガニックリネンの糸を使うことになる。大手SPAの儲け主義のオーガニックは逃げるばかりで本当にオーガニックなのかとなったときに一番怪しい逃げ型をしてしまうそれが本当に残念過ぎる大手SPAのオーガニックとかエシカルで、何億どころか何十億の利益。普通のビジネス的な金儲けで犠牲もしていなくエシカルでもない金儲け。損だけ儲かるなら利益吐き出してやってるひとたちに回してあげたらよいのに、消費者を食い物にしてやってる人たちを食い物にしてでは一番駄目な普通のビジネス感覚でエシカルを食い物。実際にやってる人たちというのはできることというのは限られているのだし現実的だけどそういうのに便乗して儲けようとする人たちが多すぎて、自分たちが実際にやっている人たちと同じ世界を共有できるかどうかが大事だろう。共有する気もさらさらないなら階級社会的な考え方で、それそのものがエシカルな世界では褒められたものではない。

オーガニックが認証機関が作り上げた偽物だったら認証機関に買いとらせるくらいが、オーガニックとかエシカルの概念だと思うけど、繊維業界では昔から謳いほど怪しいものはなかったりする。だからそういう認証じゃなくて、どこのお店とかどこの誰から買うが繊維業界では一番大事な要素だった。京都の最高級の高い呉服問屋さんが国産の手織りの麻生地を発注したときに1000mとかでないと生産できないといわれたとか、それはもろ海外産の手織りで、京都の最高級の呉服問屋さんですらも偽物の国産かあるいは機械織のものが手織りに化けていると疑われる。京都の最高級の呉服問屋さんのお客さんは化かされたものを国産の手織物として高く買ってしまう悲劇。他産地産を地場産品にブランドつけて化かして売るのが何十年のベテランたちの手口になってしまって、仕事が面倒くさいとかやめておいたほうが良いレベル。

海外産の100円200円のものを1000円の化かして売るのが地場産品では、100円ショップの正直な海外産のほうが商売としてはまだましな気がする、百貨店で売られている生地売り場の生地でも業界では有名な中国生地を輸入して国内で売る業者さんの生地がすべて国産という謳いで売られていたりする。中国生機だったりして百貨店でもそのレベル。百貨店店頭の生地価格が1m1000円程度なのだからからくりがないとすべて国産じゃあ無理な世界。それが今の日本の繊維業界ではなぜか謳いが独り歩きしたりする。普通に働いて普通に食べてゆく難しいのが今の日本の繊維業界で、消費者を騙すような要素を入れないと食べていけなのが難しいところ。大きくやっているところでもやっていくのが難しい要素があるからだろうと思うが、モラルハザードみたいなものはやはり必要だろうと思う。産地でも織物自体がつくるのが難しくなってきていてだから麻の本場の産地の産地産として林与も残っていられるんだろうとはおもうけど、新規の相談なんかでまったく無理な話とかになってくると、他でつくられている麻業者さんを紹介したりもすることも多い。

林与の布を使っていると信じているアパレルさんが前年に使った生地が、私が知ってるだけでもここ20年くらいはその柄は作った覚えもなし、なぜか林与がほとんど使わない80番手使いの話で、林与に100番手物のサンプルは残っているので、問屋の担当が林与のサンプルを使って他で作って産地のガチ物として商売していたんだろうけど、問屋などが怪しいと本当にだれが作っているかもわからない布を消費差が謳い信じて買ってたりすることは多い。モラルのない問屋さんが林与が貸したサンプルを見せて、他で作って林与の生地だとやってしまってたんだろうなあと思う。

前にも書いたことがあるけども、林与の生地の特徴はなんですかと聞かれて、産地で麻織物を自分で織り続けていることかなあというあたりを話すと、ポカーンとされる。期待される答えというのは、どこどこの糸を使っていますとかだろう。そういうのってそれほど大したことじゃないのだがと思うレベル。アイリッシュリネンはありませんかで、正しい知識で今入手できるものはもうありませんとちゃんと答えられる業者さんってどれほどあるだろうか。北アイルランドでの紡績の謳いを利用して高価なイメージを独り歩きさせ消費者を騙すような行為は消費者騙しそのもので、正しい知識というものをリネン生地を販売する業者も持つべきだろうと思うが、イメージだけが独り歩きして現実をしらない業者さんも多い。

情報というのは正しいところから得ないと間違った情報が独り歩きすることになる。林与と関係している麻関係の糸商さんというのは日本の麻業界をつくりあげてきた方たちなので、糸を売り買いするだけでなく糸に関する知識もあって正しい情報を私には提供してくれ、麻糸の情報に関してはどこも同じような業界的な共通認識があって、売りたいばかりの無茶な謳いはしない。ラベル的な部分よりも実なところが大事だと思う。箱を入れ替えれば、説明で嘘をつけば偽装なんてなんぼでもできるから自分自身が信頼できる糸の知識をもった人から糸を買うのが一番大事だと思っている。

他の誰かに便乗して仕事している人というのは価値基準がない感じがして、自分自身は工場ももって糸なんかも抱えて織機も動かして在庫も持って、構えて実態をもつことで構えないタイプの人たちとは違う仕事に対する価値観など持っていたいなあと思う。日本の繊維業界自体が偽装をしていかないと生きて行けないような奴隷制度的な中にいるような気がしてならない。現場の限界的な現実をしらないで国が国民を奴隷のごとくにSDGSとかで無理なことを強いるとまた裏では偽装が起こるだけのこと。そういう無理を国民に強いるような奴隷社会を思わせるような役人的な階級社会構造をなくさないと。汚染土をお金を掛けて情報非公開に全国にばらまくという国なんて日本以外にはありえないだろうと思うが、行政都合のエシカルとかエコを国民に強いるが、エシカルとかエコの意識のまったくのなさは日本の行政自身の特徴で、それは駄目な階級社会や奴隷制度の感覚で一番駄目な方向のひとつ。


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