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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

アレルギー

2010年07月10日

布の相談を受けさせていただき販売させていただいた方から、届いた布が刺激がほとんど無いということで喜んでいただけました。「林与」の布が、アレルギー体質の方のすべての問題をクリアできるような魔法の布であるとは考えてはおりませんが、それに近いものであらねばならないと思います。

ぜんそく、アレルギー、アトピー、化学物質過敏症という問題で悩まれている方というのは多いと感じます。ここ1ヶ月の間に4人の方から相談を受けました。この1年では、15人くらいの方が私にそのような話をされリネンに解決を探されています。多くの方にとって、より刺激の少ない布を探されているのを感じます。赤ちゃんや乳幼児向けの商品にリネンを考えられているケースも多いです。

林与自身、小麦による運動誘発性アナフィラキシーという1万人に一人くらいの体質ですので、アレルゲンの存在というのは無視できないものと実感しています。自分自身のお作りした布が少しでもお役に立てればという思いはありますが、天然の小麦ですらもが生命を脅かす結果になるので、不思議かもしれませんが、私自身は、天然のものであるから万全ということはありえないという結論にも達しております。きれいな地下水は大丈夫でも、川の水を飲んでいただくと問題があるのと同じです。自然の中に潜む混じり物をどれだけ省き人に優しくするかも重要な要素で、素朴な技術では駄目で、世界トップクラスのフラックス原料製造技術や紡績技術に頼るしかないと思うところです。(リネンといえども、良い薬剤や良い中和技術が無ければ薬剤の残留の心配が残ります。)

生成のキバタなどは、精錬がしてあってもリネンっぽい匂いなど少ししますので、ナチュラルなものが人に優しいかというと一概には言えません。リネンをドリューするのは、土の中で放置するような工程ですので土臭いような匂いがするのです。生成といえども、いろいろなタイプのものがあります。より、自然に近い臭いのキツイ状態のものから、精錬して不純物を取り除いて色もきれいになってるもの、軽く漂白を掛けて色を明るく調整してあるものさまざまです。

リネンの紡績が新興国の産業となる今、その安全性の基準は各紡績会社が持っていると考えますが、実際には紡績技術と、商品の確かさや安全性は正比例すると思うところです。生成の色の安定性、オフ白の色の安定性をみれば、その紡績会社の原材料へのこだわりが見て取れますし、織ってみて、色以外の糸の品質に関する答えが見えてきます。

定番の生成やオフ白に関しましては、一貫した原糸の糸の安全性かつ安定性の追求並びに薬品などをなるべく使わない製織方法にこだわり、何十年も実績のある加工方法に絞っておりますので、リネン生地との相性にお困りのかたの一つの解決の可能性として、「林与」のリネンや本麻を試していただく価値はあるかと思います。


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