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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

織物体験2日目

2022年03月20日

今日は織物体験2日目で、機替えと、経糸を繋ぐ作業。縦繋ぎの修得から、左手で糸の束を持って、右手人指し指がくるっと回って糸が緩みなく繋がれて行く。職人にしかできないと思うような縦繋ぎなのだけども、普通の人でも練習すればだれでもできるようになる。前かがみになるので、腰が痛くなったり、体が疲れるし、指も変に力が入って攣りそうとか、指先がうまく糸を取ることができないもあるので、1本の糸を繋ぐことすらもが苦痛から始まって、なんとか連続して正しくつなげ始めたらシメタもの。私が縦繋ぎしているのを見ているだけではマジックのようだけど、教えて覚えてやってみてできると自信にもつながる。

作業に我流が入っては駄目で、教えられたとおりにやってみる努力をすることが大事で、そういう正しい努力が出来るようになる練習にもなる。正しい努力を積み重ねることで、千里の道も1歩からみたいなのを乗り越えて、ゴールである、すべての糸を繋ぐことを終えられる。何時間も辛い姿勢でがんばっても経糸が何千本かつなげたというだけの作業だけど、織物を織るよりも時間も根気も体力も必要。

繋ぎ終わったあたりで食事休憩。そのあと麻組合に寄って、職員の方による腰機での手績み糸の手織りの実演なども見せてもらう。お二人は大麻に興味がある方たちなので日本の大麻の産地などに関する話も職員の方に熱心に尋ねておられた。麻組合の販売されているものの中には、5cmとか10cmで織られた小幅の織物がたくさんあって、お二人が商品として作りたいアイテムに使うのには十分な巾。

後には、結び目を前まで送って織出しの作業があるのだけども、送る途中で糸が抜けたり、切れたりしたのを一本一本直して行く作業が待っている。そういう作業を坦々と前に進めていって、動かそうとしても経糸のゆるみや経糸切れでまともに動かないのを、根気強く一本一本正しくしてゆくことで、何事もなかったかのように織機が突然動き出す春の雪解け。苦労を乗り越えて、みんなが笑顔になる瞬間である。その春の雪解けを経験して頂いて、2日間の織物体験は終了。長いお昼休憩を取ったこともあって予定より1時間くらいは遅れたけど、繋ぎ終わった糸を織出すまでを完了することで、部分的な経験だけでなく、答えまでを必ず出すというあたりを見ていただけたかなあと思う。

次回は整経作業の基本を経験してもらおうと思う。雑談的な話のなかでこんなことがやりたいと思っておられるあたりのものごとをお持ちで、一般的な企画の方なども同じようにやりたいものごとをもっておられてもそれが前に進むことというのは、いろんな事情があると思う。技術的な問題の前に資金的な問題もあったり、資金がない時にはどうやって解決してゆくのか、自分で手で織ればよいのではみたいな提案もさせて頂いたり、プロに仕事を頼むと逆にできることが限られていたり制約もあったりしたりで、自分自身が自分の持っている環境やものづくりする環境を自分のできる範囲で持つことで、その中で自分の夢の実現を考えてゆくというのが現実的で、林与自身も普段の地道な仕事をこなしながら、余力が出来た時にはその余力を使ってやりたかったことをやってみるという姿勢


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