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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

みちのくあかね会さん

2022年05月25日

今日は盛岡のみちのくあかね会さんにお伺いし機械の動くところを拝見させていただいただいた。移設の段取りを考えているのだが林与の工場の中の設置のこともあるので分解して運べると一番よいのだがと考えている。ウールを手紡されているところなども拝見をしたり、織っておられるところも拝見をした。坦々と作業が進んで手の世界のものづくりが進んでゆく。手織りの本格的な年代物の織機も10数台は置いてあっていろんな縦を掛けておられるそう。

岩手はやはり寒い場所なので昔からウールの織物が地場産業としてあったということで、その流れが地場産業的に残っていて、みちのくあかね会さんも女性ばかりが集まって雰囲気のある病院跡の建物で、原料を染める、カーディング、手紡、織までを手作業で行われていて、建物もよい感じの場所なので引っ越しされるのが惜しいくらいなのだけど、耐震とかの問題で泣く泣く移転されるそう。

ちょうど今日は移転に関しての取材の方などもこられていて、みちのくあかね会さんの移転がうまく行くように願っておられる方は多いのを感じた。やっておられることも歴史を感じるのはおいてあるいろいろな資料や機材など、移設は本当に大変だろうなあと思う。できれば全部うまくもっていってほしいと願うくらい、というかこのままの場所で今のまま続けられないのかと思うが、もうあと一か月で引っ越しされるということが決定されている。

作業しておられる方々の作業をみていると淡々とミツバチのように本能的なもので動いておられるんじゃないかと思えるくらい。会社で仕事としてやっておられるような雰囲気がせず、使命感をもってものづくりをされているような感じがする。いろいろなものを作られながらも再現性も大事にされて記録みたいなものは丁寧に取っておられ、手で糸を紡ぎながらもいろいろな糸の太さもコントロールすることが出来るという。

一つの建物のなかで原料を染める所から始まり織りあげた布を加工するところまでやっておられるような一貫生産で、それぞれの方が担当を分けてされている。企業間の分業でなりたつような形ではないので独自性高いものが出来上がる。林与でいうところの昔近江上布を家の中で染からやってたみたいなことが時が止まって今も成り立たせながらやっておられるような話なのである。そういうことが昔ながらに大事にできるのは人の価値観みたいなものが残っている岩手という場所柄ももちろんあるんだろうと思う。

機場にはストーブが置いてあったので、やっぱり寒い場所なんだろうと思うし、一方で年々夏は暑くなっているそうで働く人のために夏にはエアコンも必要な感じのようで、訪れた今日もびっくりするくらい何もしなくても汗がにじむくらい暖かくて夏だと滋賀県や京都並みに暑いのだろう。でも、遠くの山の山頂近くの谷の部分には白く雪が残っているのは滋賀県では見慣れない光景ではある。

織機も分解して運び出せると良いが一つだけ歯車が外せるのかどうかが微妙なところがあり検討課題ではある。引っ越しが終わった段階で分解作業など一度一人でやってみるのもよいかもしれない。昭和のつくりのかわいい撚糸機なので残したい気持ちがある。ちょうどシャトル織機1台分くらいの大きさだろうか。工場の1Fの奥のほうに設置出来たらなあと思う。

糸をまくおじいさんも今年で引退されるということでそこのチーズアップ機もばらして林与の倉庫にでも設置しようと思う。それか工場の上かなのだけども、工場の上も糸がたくさんあるので触ると大変ではある。


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