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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

リネンの本質

2010年07月25日

今日は、会社は休みでお天気がよいので、頭を悩ませていた問題に取り組みます。布の風合いの調整に取り掛かります。原料は良質で生機も満足なのに、加工した後の風合いが悪い感じなのには納得がいきません。

いくつかの問題に感じることはあります。その答えを自分自身が見つけないことには前に進まないのです。糸が悪いのか、生機規格が悪いのか、はたまた、加工に工夫が必要なのかです。先日織り上げて自分で加工したものは良い感じだったので、それに近い加工をどう再現するかだと思います。

リネンを触っていると、日中の乾燥しているときにはパサパサ感があります。外で干して乾燥してしまった状態はパサパサしてます。でも、しばらく放っておくと湿気を吸って、しんなり感が出てきます。梅雨の時期のリネンというのが案外しんなりしてよいものです。私自身が、素材からして高級なリネンが好きなのは、ぬめりのあるソフト感よりも、リネン独特のしんなりとして光沢のある繊細な高級感なのです。

パサパサしているのも悪いことではないのです、これから水分を吸収しようとして準備できている段階ですので、着たらすぐにしんなりとなります。大事なのは毛羽があるかないかです。毛羽があるとラミーやリネンでもウールとおんなじで暑いです。ウールという素材は、吸水性はリネン以上に抜群なのです。リネンやラミーにおいては、どこまで毛羽を押さえるかが夏素材としてのポイントです。

夜まで掛かって、自分自身で仕上げて、一級のリネンの布に仕上がりました。リネンが良いのは、天然のものなので使い込むほどに風合いが良くなることです。私自身が、明日から数日、さらに良い風合いを出すために時間を使ってみようかと思います。せっかく2ヶ月近くも掛けて形になった布ですので、ここで満足していては駄目だと思うのです。織や糸の良し悪しだけでなく、麻やリネンの風合いの良し悪しを判断し作り出すのも林与の大事な仕事のひとつで、林与独自の布に対する良し悪しの判断があります。


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