リネン日記
能力
2023年02月25日
電話でテキスタイルの相談を受けることがあって、こんなので来ますかみたいな話が来るとして、まあ、ほとんどの場合には麻100%でのものづくりを頼まれることが多いので、生地の企画というのは基本、どの番手の糸を使うかとか、どの密度にするかとかが重要になってくる。電話でテキスタイルの話をして、どんな糸を使ってどんな密度でどんな組織で、どんな幅のどんな風合いの、どんな用途向けの織物なのかの話。
こういうときには、今までの経験みたいなものが生きてくることも多いし、過去の経験を活かすためには、過去に毎回の仕事をしっかりと理解してやっている必要がある。それも一部の作業だけでなく、全体的な仕事を細部まで分かってやっている必要があるので、アパレルに出入りされている問屋さんとかはイメージだけの世界がほとんどだけど糸一本までの話になって来る。
たとえば、ギンガムチェックのようなものでも、何センチのギンガムが作りたいとかなると、最終の仕上がり想定でのピッチ予想などが必要になって来て、通常、織物というのは2本単位で柄割をするので、1cm角のギンガムをつくるのに、24本にするのか26本にするのか迷うことがある。一般的にデザイナーさんというのは、織物というのは碁盤の目のように、縦横の比率が1対1のような感覚があられるのだけども、通常良い織物とされるのは、経糸のほうが密度が高くて、横糸のほうが密度が少ない、くらいが良いのである。林与の織物の基本の規格も昔からそのようにしてある。
縦横の比率が違うことで、縦も横も同じ本数にするとやや縦長の長方形が出来てしまう。正方形にはならないのである。だから横糸を2本くらい縦よりも減らしてあげたりして、正方形に持っていくとかが普通の方法。また、正方形というのは、縦長気味につくるくらいが目の錯覚で正方形に見えるので、縦1割くらい長くしておくくらいで大丈夫なのである。ちょうと同じ長さにすると、横長に見えてしまう。
200本とか300本のチェック柄になってくると、シミュレーションをプリントアウトしたものなどから、糸の本数を決めるのだけども、この作業を出来る人というのが本当に少なくて、今だと、エクセルとかで簡単に割り振りができるのだけど、少数の切り上げ切り下げのさじ加減が大事で、トータルの本数が、想定の柄の大きさに合うようにこっちを減らしたり、あっちを減らしたり。この作業が出来ないと柄モノを正しく作るということは難しい。生機規格と加工上がりでは、加工上がりのほうが横が15%程度縮むので、そういうのも加味する必要がある。
また、そこから先にいくと、割り振った本数から、使用する糸の量を計算するのだけども、この作業になると、もうできる人が本当に少なくて、林与は最初の日からやって来たけども、計算量がすごく多いので、計算機の時代には結構大変だった。今は表計算ソフトがあるので、簡単に求めることができるのだけども、表計算ソフトを使いこなして糸量の計算を出来る人が繊維業界には少ないのである。また、理論値というのは、ロスを見ていないので、通常は経糸の場合には25%くらい理論値よりも多く染めて、横糸は理論値よりも10%ほど多く染める。
整形は15%くらい長めに整経して、織の縦縮などのロス見たらちょうどくらいになる感じかな。太い糸の場合や密度が高いと経糸がアップアンドダウンが激しいので、長めに整経しておかないといけない。糸も、均一な糸だとロスはすくないけども、スラブっぽい糸は織縮が大きくなる。
よく、アパレルの方が、在庫ゼロみたいな感覚で仕事をされているけども、テキスタイルの製造現場では100m必要な場合には、120mくらいは経糸を用意して、110m、ほど織って兆度くらいのイメージで、問題がある個所などをキズ引きしたり、長すぎたら5mほど残したりが普通の話で、誰かが在庫ゼロを目指せば、在庫を抱える話が普通。
計画的な生産はかっこよいのだけども、そういう計画的な生産というのは、最初に計画に余裕がないと難しく、1回でスムーズにいく時間しか考えていないと問題が起こったときにはどうするのかという問題。アパレルの展示会というのは、日本もそうだけども世界的にも、春夏の展示会は10月の後半くらいに行われることが多い。11月末とかに生産数量が決まって、染めるとなると、12月中に染めきることも難しいのが現実、また1月に入って加工出しをして1月末納めで動いても、その間に検査数値をとったりして、検査数値が良くなかったらどうするのかとか、もう、モノづくり自体が、最初から時間的に無理が多すぎるのである。それが2月末とかだとしてもフルに動いて普通にギリギリくらいの話。
9月から3月末くらいまでは、春夏物の生産期にあたり、それは昔から。昔はシーズンオフには農家の人たちは田んぼをしていたりするのが普通で、それで両立みたいなことができていたりしたが、今は織物の仕事というと高度化してしまって、今書いたようないろんな計算事などができて分かって作業して前に進めていけないと難しいような感じで、今の時代の仕事観からすると不思議なリズムで仕事が回っていたと思える。今の時代はどこまで仕事をこなせるかというのが一番大事なこととなって正常化したといえば正常化したのだろうと思える。
こういうときには、今までの経験みたいなものが生きてくることも多いし、過去の経験を活かすためには、過去に毎回の仕事をしっかりと理解してやっている必要がある。それも一部の作業だけでなく、全体的な仕事を細部まで分かってやっている必要があるので、アパレルに出入りされている問屋さんとかはイメージだけの世界がほとんどだけど糸一本までの話になって来る。
たとえば、ギンガムチェックのようなものでも、何センチのギンガムが作りたいとかなると、最終の仕上がり想定でのピッチ予想などが必要になって来て、通常、織物というのは2本単位で柄割をするので、1cm角のギンガムをつくるのに、24本にするのか26本にするのか迷うことがある。一般的にデザイナーさんというのは、織物というのは碁盤の目のように、縦横の比率が1対1のような感覚があられるのだけども、通常良い織物とされるのは、経糸のほうが密度が高くて、横糸のほうが密度が少ない、くらいが良いのである。林与の織物の基本の規格も昔からそのようにしてある。
縦横の比率が違うことで、縦も横も同じ本数にするとやや縦長の長方形が出来てしまう。正方形にはならないのである。だから横糸を2本くらい縦よりも減らしてあげたりして、正方形に持っていくとかが普通の方法。また、正方形というのは、縦長気味につくるくらいが目の錯覚で正方形に見えるので、縦1割くらい長くしておくくらいで大丈夫なのである。ちょうと同じ長さにすると、横長に見えてしまう。
200本とか300本のチェック柄になってくると、シミュレーションをプリントアウトしたものなどから、糸の本数を決めるのだけども、この作業を出来る人というのが本当に少なくて、今だと、エクセルとかで簡単に割り振りができるのだけど、少数の切り上げ切り下げのさじ加減が大事で、トータルの本数が、想定の柄の大きさに合うようにこっちを減らしたり、あっちを減らしたり。この作業が出来ないと柄モノを正しく作るということは難しい。生機規格と加工上がりでは、加工上がりのほうが横が15%程度縮むので、そういうのも加味する必要がある。
また、そこから先にいくと、割り振った本数から、使用する糸の量を計算するのだけども、この作業になると、もうできる人が本当に少なくて、林与は最初の日からやって来たけども、計算量がすごく多いので、計算機の時代には結構大変だった。今は表計算ソフトがあるので、簡単に求めることができるのだけども、表計算ソフトを使いこなして糸量の計算を出来る人が繊維業界には少ないのである。また、理論値というのは、ロスを見ていないので、通常は経糸の場合には25%くらい理論値よりも多く染めて、横糸は理論値よりも10%ほど多く染める。
整形は15%くらい長めに整経して、織の縦縮などのロス見たらちょうどくらいになる感じかな。太い糸の場合や密度が高いと経糸がアップアンドダウンが激しいので、長めに整経しておかないといけない。糸も、均一な糸だとロスはすくないけども、スラブっぽい糸は織縮が大きくなる。
よく、アパレルの方が、在庫ゼロみたいな感覚で仕事をされているけども、テキスタイルの製造現場では100m必要な場合には、120mくらいは経糸を用意して、110m、ほど織って兆度くらいのイメージで、問題がある個所などをキズ引きしたり、長すぎたら5mほど残したりが普通の話で、誰かが在庫ゼロを目指せば、在庫を抱える話が普通。
計画的な生産はかっこよいのだけども、そういう計画的な生産というのは、最初に計画に余裕がないと難しく、1回でスムーズにいく時間しか考えていないと問題が起こったときにはどうするのかという問題。アパレルの展示会というのは、日本もそうだけども世界的にも、春夏の展示会は10月の後半くらいに行われることが多い。11月末とかに生産数量が決まって、染めるとなると、12月中に染めきることも難しいのが現実、また1月に入って加工出しをして1月末納めで動いても、その間に検査数値をとったりして、検査数値が良くなかったらどうするのかとか、もう、モノづくり自体が、最初から時間的に無理が多すぎるのである。それが2月末とかだとしてもフルに動いて普通にギリギリくらいの話。
9月から3月末くらいまでは、春夏物の生産期にあたり、それは昔から。昔はシーズンオフには農家の人たちは田んぼをしていたりするのが普通で、それで両立みたいなことができていたりしたが、今は織物の仕事というと高度化してしまって、今書いたようないろんな計算事などができて分かって作業して前に進めていけないと難しいような感じで、今の時代の仕事観からすると不思議なリズムで仕事が回っていたと思える。今の時代はどこまで仕事をこなせるかというのが一番大事なこととなって正常化したといえば正常化したのだろうと思える。