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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

汎用性

2023年03月07日

仕事していて一つの物を作るときにも汎用的な知識が必要なことは多い、いろんな要因があって、総合的な判断が必要で、一つの要素だけで物事を進めても他がうまく行かないときには妥協して解決も必要だったりは普通のこと。世の中に売られているものが、いろんな形で妥協されて世の中に出ているというようなことも多い。

熊本県のアサリの産地偽装問題も、実際にアサリが捕れなくなった有明海で漁師たちがどうやって食べていくのかというあたり、妥協すれば残りやすくなって成り立ちやすくなるというのはある。海外産でも国産と表記できるようにすればそれで解決みたいな考えで、本質からはやればやるほど離れてゆく。今はメイドインジャパンがなくなってしまってきて、海外製品が日本の大手の家電製品も含めほとんど。

今、日本人が作っても海外よりも良いものが作れるのかという問題があるんだろうと思う。海外の人のほうが働き始めているのは事実で、一つの仕事じゃなく、ぶたつ仕事をしても将来の夢に向かってみたいな人も多い。繊維業界も衰退の一方な気はしているけども、自分自身でできることを増やしていくということが一番大事だろうなあと思っている。そのときに、ないものを求めるんじゃなくて、今の環境で今あるものを使って、なにができるのかみたいなことが大事で、タラレバの話や、場所探ししているよりも、目の前にあるものごとをこなしながら、新しいことをどうやったらできるかを考えてゆく。

他力本願的な大きなことは考えないほうが良いだろうと思う、自分たちの力みたいなものを発揮してできる範囲のことでも、相当なことはできたりするとは思うから。普通にあると思うものが、もう普通にはなくなってしまっていて、モノづくりの地道な部分は馬鹿にされやすいけども、地道な部分を地道にやろうとしないと超えたものは出来なかったりする。

ロケットの問題で、1980年代にスペースシャトルが宇宙に行って帰って来た。今、同じ技術が宇宙、宇宙といいながらあるのかというと、昔の方がその技術があったのではなかろうかと思うのは、織機などをみていても思う。構造的に本当によくできているのだ。そしてそれを使いこなす技術も同じこと。今の織機というのは素人でも扱えるようにオンオフの世界、だがそれだと、大したことはできなくなってしまう。

捺染にしても、昔は版を作って重ね合わせて一つのプリント柄に仕上げたが今は、コンピュータのお絵描きで印刷する感覚で、布へのプリントが可能になった。技術は進化したけども、アーティストの絵心みたいなものは低下したように思える。私もフリーハンドで自由に絵を描ける様な才能はまったくないけども、コツコツと努力派で織物をつくっていたりするので、コツコツと積み重ねてゆくしかないし、積み重ねるも本当に上に積み重ねていく感じで、知識と知識の積み重ね、経験と経験の積み重ね、作業と作業の積み重ねで新しいものが作れないかと考えている。


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