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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

苦労

2023年03月10日

私も変なところがあって、とくに若い人には苦労を経験させることが大事みたいなことが相手のためになると思うことが多い、特に夢を持っていながらなかなかそれができないとか、業界にいながら分からないことだらけの人とか、自分でやってみるのが一番大事だということをいうだけでなく、それを面倒をみてでもやってもらおうとするあたりがあるから、嫌われるというか引かれることが多い。

でも、ものごとやって成り立たせようとすると全部やってみないと分からないことも多いので、なるべく広く深くやってみるのが大事だと、若いころにあまりできなかっただけに思う。温い社会だとそういう苦労の経験をさせないようにみんなが動いて温くなってしまう。集まってみんなでやればとかそういう感覚でやっていると難しくなることは多いと思う。

普通じゃないことやらないと普通じゃない感覚をもっていないと、展示会に出たり売り場にもものを並べることは出来ないと思うのは、大きな会社じゃないからだろうか。小さな会社で林与のような考えの会社というのは少ないだろうけども、一番大事な専門的な部分を広く深くやってみることが、物事を成り立たせる一番の近道でしかも本質的な部分だろう。

以前、刺繍関係の問い合わせが業者の方から合ってメーカーから宿題をもらって尋ねてこられたけども、宿題をもらうのは簡単だけど、それを解決して、試作一つを魅せるためには時間とお金と労力が掛かる。それを実際にやって答えを出すのが実力で、誰かほかの人にやってもらおうとしていてもそれはその方がお客さんというだけのことで、お金を準備しないといけない立場。メーカーから刺繍の宿題をもらったから自分は知識もないから、たとえば50万は予算渡すので、それで試作してくれないかとかなら受けられるけども、刺繍業者さんに試作してもらうお金も考えておらずに、宿題をもらって自分の仕事にしたいでは企画は難しいだろう。

メーカーさんと問屋さんが全国を回っておられるときにそういうケースは多く、無料で試作してくれるところを探しておられたりするけども、それは本当に無駄な力を使うことになる。そして困るのは、本番で何千メートルの話が50mとか100mだけの話になるとかがよくあって、メーカーさんと問屋さんの間の自分たちがお金を使わない話はでたらめが多くなりすぎて、ダメージが実際に動いているものが被ることになる。

メーカーや問屋さんにしても、生地を実際に料理されるならわかるけど料理もしないままに話だけして食べ歩きしてられるところだと、関わらないほうがましだなあと思える。まあ、日本の繊維業界の昔も金儲けとどんちゃん騒ぎするのが仕事みたいな人が多かったけど、実際に技術とか設備とかそういうのに目を向けて地道に商品開発や生産をするとかが大事で、安くアウトソーシング先さがしてできるだろうみたいな他人事でお金儲けのスタイルは結局業界全体としてもマイナスで、日本の産業界の実態がなくなりつつあるのもそういう考え方が根本にあるからに思える。アメリカ社会、アメリカビジネス的な理想系に近くなりすぎた、でも、日本の場合は高く売るために語りを求めたり謳ったりするからややこしいんだろうなあ。


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