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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

不調

2023年06月05日

縦繋ぎしているのだけどもタイイングマシンが以前から不調気味になってしまっていた、内部に硬い糸がワタ状になった塊が2つ入っていて、それらを取り出した。このタイイングマシーンは4年ほど前に廃業された機屋さんから購入したもので、買ったときにはすごく調子がよく動いていたけども、そのあと調子が悪くなってようやく元の調子に戻った。

林与には4台のタイイングマシンがあるけども、ほかの3台はメンテが良くなく、あまり使っていなかったりする。綿なら繋ぐことができるのだろうけども、麻を繋ごうとするとテンションなどが非常に重要で、カチカチカチと綺麗に繋いでいける状態でないと、何か所もつなぎ間違いが起こりやすい。4年前にいてくれた子は器用だったなあと思う。最初から教えなくても筬も通せて手で繋ぐのも速かったし、タイイングマシンも使いこなせて。

何十年やっている人でもタイイングマシンが使えない人がほとんどで、一度教えてもらったらあとは自分でやるのが当り前のような人だとどんどんと仕事の幅も広がっていくけども、できないわからないやらないでいるとどうしても簡単な最初の1日目的なことの範囲で一生の仕事となるケースも、織物の現場ではありがち。

ある集まりで、他の会社で現場で働いている人が仕事がヒマでヒマで5時になるまで時計見て5時になったら帰るといっていた、4人おられるが分業で成り立っているらしく、私は自分で仕事を生み出すタイプなので、時間があるならいろいろやってみたほうがよいよというのだけども、やるつもりはないと言っておられた。昔ながらの繊維業界というのは仕事が普通にあったので多くの人を抱えて分業で成り立っていたけども、仕事が無くヒマにしていては仕事としてまったく成り立ってはいない。昔からの分業的な繊維の現場というのは感覚的にそういうケースに陥りがちで仕事が無いから仕事していないと、仕事があっても仕事ができないということもあるだろう。

たとえば、コロナでアパレル不況に陥ったときに、布マスク需要があって繊維関係ならそういうのに興味をもってやってみるべきだろうし、ものづくりの経験値も上がったりする。その方でも私と同年代ですごく楽しい方で営業とかは上手なのだけどもそういう方でもそういうことを言っておられたので、企業の流れを変えるというのはなかなか難しいものだなあと思う。基本、林与は行動して答えを出せないと仕事じゃないと思ってるので、たぶん仕事ってそうではないと考える人のほうが多いと思う特に仕事の少なくなった繊維業界では。

織物会社の中に仕事なんてほんとたくさんありすぎて、でも、普通の機場の人というのはその中の一つの作業が仕事で、ほかの作業ができない、しないのが当り前。若い次の世代が次々といろんなことを覚えてやっていくのに、経験の長い人ほどできる仕事が少ないというのもおかしな話で、そういうところから変えていかないといけないんじゃないかなあと思う。学校のほうが5教科以上にあって毎日新しいこと、言われてやらないといけないことも多く、今の子供たちの方が大人以上に何倍も大変だろうと思う。


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