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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

オレンジジュース

2024年05月08日

ブラジルでオレンジ不足で、日本の店頭からもオレンジジュースが消えたり高騰しているという話らしい。昔のジュースの定義は100%果汁だったけども、今は95%で残り5%までの加糖が許されるようなことになっているらしい。これが、海外のジュースを飲むと砂糖の甘さを感じる所以だろう。すごく甘い。

国ごとに国際基準というのがあって、農産物に関しても国際的な統一基準というのはなく、国ごとにばらばらな基準というのが実情ではある。日本のジュースというのは非常に厳しいルールが適用されていて、まだ、100%を守っているメーカーもあるだろう。

中国にいったときには、オレンジジュースに砂糖が普通に入っていて表記もされていたので、ある意味正直といえば正直だろうと思った、体にとっては変わらない。

繊維の世界オーガニックテキスタイル標準なんてものも存在せず、各国ごとにばらばらなでオーガニック基準が定められているのが実情で、日本ではオーガニックテキスタイルの原料を生産するのが難しいが、大量生産国のオーガニックコットンなどは日本でいう普通のコットンであることも裏の実情であったりして、もう遺伝子組み換え種子を使うことは努力目標でしかないし、手に入れることすら難しいと言われている。

認定機関にしても、ワタで検査する方法がないからセーフだというような愚かな見解で、まったくそのあたり本物か偽物か判別が出来ない状態で、遺伝子組み換え不使用を謳ってしまっているような認証。ベターコットンはそのあたり、遺伝子組み換えを使用していることを認めているので、正直といえば正直なところがあったりする。

化学肥料不使用という文言も、インドではCPKに関しては、ノンリストリクティッドというだけでなく、自然配合を壊さない範囲での使用みたいな注釈があって、オーガニックコットンを規制しているのも国で、オーガニックコットン大国ほど、遺伝子組み換えコットン大国で、同じ国の農産省が真逆の概念の物を推進しているというのを考えると、それが日本人の期待しているオーガニック産品につながるのかというと心配すべきところだろうと思う。

今は、オーガニックを謳いながら合成繊維5%まだOKみたいなルールに成り下がって、コットン100%でもないものがオーガニックだったりして、大量に流そうとすると結局概念のほうが崩れてしまって、オーガニックのラベルがついているだけで、インドの国の規定でも、5%までならポリエステル、ナイロンなどを混ぜることができるとオーガニック規定にもあって、積極的に綿以外の混ぜ物をしようとしているように感じる。結局、そういうものが日本では、オーガニックのラベルがついて、殺虫剤、化学費用、3年間不使用とか、謳われて販売され、日本の消費者がそういうのを信じて大丈夫なのかと心配になる。

熊本のあさり問題があったけども、あれと同じで、現実的には無理なほどに大量に広がりすぎたオーガニックビジネスは、もはや混合繊維と呼ばれる世界に突入で、日本の繊維業界の厳しい基準の中で、消費者に対しての正しい情報を伝えたい立場としては、天然繊維に合成繊維を5%混ぜたら別物で、天然繊維100%とも呼べなくなるが、それをオーガニックと呼ぶのはいかがなものかなあと切実に感じる。しかも合成繊維を混ぜることを前提としてそれをオーガニックと呼ぼうとしているのが今の世界のオーガニックの流れ。どんどんと薄まって最初の形から崩れて、もう、天然繊維でもないものが入っていてもオーガニック。砂糖の入ったオレンジジュースのような、オーガニックが普通になってきてしまった。


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