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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

マス見本

2011年01月18日

私自身、マス見本という言葉をよく使いますが、先日のJETROさんの商談会で通訳の方が、「マス見本って何?」と聞かれまして、「縦横いろいろな柄の入ったサンプルです。」とお答えしました。たくさんの見本ということで英語の"mass"を連想されたみたいです。

なぜ、マス見本と呼ぶのかという質問をいただいて、枡に区切ってあるからマス見本と呼ぶのですと説明しましたが、通訳の方の頭の中には、一升枡があって、そこに見本の布を筒状に丸めて立てるからマス見本というのですか?と、通訳で頭のよい方だけに、ちがう、ちがう、ぜんぜん違うの世界です。

一つのマスは大体10cmくらいから15cmくらいのことが多いのですが、総マスの多色使いにすると芸術的な表現力の世界になります。それは、マス見本に注がれた労力に比例するかと思うのです。中には、1週間掛けてつくりあげるマス見本もありそれは見本というよりも芸術です。

綺麗に見えるマス見本を作れるかどうかは、一つのイメージを作れるだけでは駄目で、同系の柄組を出来る力や、同柄でのカラーバリエーションをつくる力が要求されます。クレヨン箱みたいな感じの配色をすると、ありがちなファストブランドちっくな世界になってしまいます。

見て奥が深いなあと思えるマス見本を作るためには、かなり力が必要で、複雑なマス見本を計画しすぎるとそれを準備し織り上げるには大変です。マス見本をご覧になられてその価値が分かる方というのは織物に精通しておられる方です。


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